あらためて、クラシックな一皿を。ポール・ストロガノフ【Porc Stroganoff】


  
ほぐれるゼラチン質と濃い旨み
豚ほほ肉のストロガノフ
Joues de porc façon Stroganoff, riz au beurre
ポール・ストロガノフ



Salut! Tu vas bien?
どうも、シェフです。

今日は、ロシア発祥のフランス料理 ⇨ ストロガノフをご紹介。

牛肉のことが多いけど、豚でも鶏でも親しまれてるストロガノフ。
フランス料理のエッセンスがギュッと詰まった古典料理。今回は、豚ほほ肉でつくる 旨み炸裂 ストロガノフだ。


発祥は諸説あるけど、僕の中では コレ と決まってる。ロシアのストロガノフ家に招かれていたフランス人料理人が考案したという説だ。

露仏同盟が秘密裏で結ばれていた時代に、文化・芸術の最先端を走っていたフランスへの憧れから、こぞってフランス人シェフをスカウトしていたロシア貴族。小麦粉を炒めたルーや、バターを使った調理法、エシャロット・マッシュルーム・ワインを使ったベースとなる旨みの抽出、そんな憧れのフランスの味に、美食家たちは大喜び。そこへお抱えフランス人シェフがロシアのサワークリームを加えて完成させた同盟料理。

さらに心憎いのは、固い料理が食べづらくなっていた主人のために肉を揉み込んで柔らかくした料理人のひと工夫。そしてパトロンというかスポンサーのストロガノフ家の名を冠して、この料理は世界に広まったんだね。


Joues de porc façon Stroganoff, riz au beurre
( ジュ―ドポール ファソン ストロガノフ、リ オ ブール )
ポール・ストロガノフ
豚ほほ肉のストロガノフ


柔らかく煮込んだ豚ほほ肉は格別だ。ほぐれるゼラチン質と濃い旨味。そこにマッシュルームが溶け込み、味のベースが決まる。
ソースの淡い赤は、肉の焼き色由来の茶色いフォンと、香辛料としてのパプリカ、少しのトマトペースト。バターの芳醇さにコルニッションの食感がいつまでも心地いい。
要のサワークリームはリヨンらしく発酵クリーム(クレームエペス)をチョイス。よりミルキーでマイルドな酸、煮込んでも熱に負けない腰の強さはリヨンっ子の精神そのもの。そんなクレームエペスの濃厚なクリーム感が柔らかく旨みのすべてを包み込むぞ。
そして、爽やかな香りを運ぶディジョンマスタードで、味のバランスを決めていくんだ。


🍴🐖🍷🐷🍅🐄🥒🍄🐷🍷🐖🍴

あらためて、130年前のフランス料理と向き合ってみると面白いことに気が付く。

現在のフランス料理の味の組み立て方は、掛け算の美味しさ。ギュッと旨みを濃くしたエキスとシンプルな食材の組み合わせで、味わいをより際立たせるイメージ。

一方、古き佳きペルエポック期のフランス料理は、美味しさの作り方がそもそも違う。
掛け算じゃなくて、足し算の美味しさ。味を構成する要素をどんどん重ねていって、目指す味わいに仕上げていく。結果、複雑味と濃厚さが増していくんだけど、現代にまで残ってる偉大なフランス料理には、それらが嫌みにならずに美味しさへと変えるアイデアが生きてるんだ。
(例えばストロガノフで言うと、重すぎず、くどく感じさせずに食べ進められるのはかすかに効いたサワークリーム・コルニッション・マスタードの酸がなせる業。だから美味しいんだね。)


じゃぁ、クラシックな一皿に、合わせるワインもおのずと決まってくる。
長い歴史を持つ、クラシックで偉大なクリュ・ボジョレ(→blog)。もしくは、失われかけた古代品種を使ったヴァンドフランスのボジョレ(→blog)。どちらで攻めようか。う~ん、やっぱり悩んじゃうね。←
どちらも違った世界観が広がる組み合わせ。ちなみに上の写真は、シャトー・ティヴァンのコートドブルイィ(→blog)。ボジョレを牽引する名門シャトーも、ベルエポックの頃は黎明期。手探りの葡萄栽培から始まった長い歴史。伝統に裏付けされた味わいが見事にリンクする組み合わせだ。


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足し算で生まれる奥深い味わいに寄り添うのは、香り高いバターライスと、大地の香る根菜のピクルス。🍷が決まったら、ソースをたっぷりと絡めて、目を閉じては浮んでくる彼の地に想いを馳せて。じっくりとお楽しみください。



Bon appétit et large soif !
chef





リヨン料理とボジョレワインが究極のマリアージュを奏でる訳
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🐓🥚料理とワイン、どっちが先?
ペアリングの謎に迫る!



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