リヨン料理の王様【クネル】は ボジョレの赤ワインと!Quenelles, sauce Nantua

 


美食の都のスペシャリテ
魚のスフレを、ザリガニソースで
Quenelles, sauce Nantua
クネル



Salut! Tu vas bien?
どうも、シェフです。

美食の都と称えられるリヨン。いつ訪れても、大盛りの内臓料理や 🐷シャルキュトリ(→blog)を味わいながら、みんながボジョレ🍷片手に盛り上がってるのが印象的♡ そして何といってもこの街でしか味わえない究極の美食と言えば、これでしょ。リヨンの美食の代表選手、クネルだ。

Quenelles sauce Nantua, 
avec pilaf ďorge
( クネル ソース ナンテュア、アヴェク ピラフ ドフジュ )
クネル、ソース・ナンテュア
Quenelles sauce Nantua, avec pilaf ďorge

ふわふわに膨れただけのムースとは明らかに違う、ねっちりともっちりとした食感。軽いんだけど、しっかりとした弾力と食べ応え。噛みほぐす度に熱々の湯気とともに旨味が溢れるこの味わいは、まさに美食の都のスペシャリテに相応しい。

興味を持ったお客様からも、クネルの作り方を聞かれることがよくあるんだ。難しい工程はないんだけど、ちょっとだけ手間がかかる。家で作ってみるのは難しいと思うんだけど、説明しないままってのも気が引ける。よし。ちょっとだけ掻い摘んで説明してみようか。いくよ! 

まず新鮮な白身魚をおろし、身をミンチにかけてから軽く塩して丁寧にすりつぶす。そこへ少しずつ卵を落としながら、しっかりと粘りが出るように力強く混ぜていくんだ。で、先に作っておいたパナード生地(固めのシュー生地みたいな)を混ぜ込み、ラードをゆっくりと練り込んでいく。ここでいったん冷蔵庫で休ませるよ。

先程のおろした白身魚の骨を水にさらしてから、香味野菜(玉葱セロリ)と一緒に炒め、水を加えスープを取る。このスープで、冷蔵庫で休ませておいた練り物を優しく茹でていく。


大きなスプーン2本を使って、内部の空気を抜くように、ラグビーボール型に成形しては、そっと鍋に落としていく。
茹で上がったクネルは乾燥しないように濡れ布巾をかぶせて、出番を待つ。

伝統的な仕立ては、ソース・ナンテュア(ザリガニソース)をたっぷりかけて、オーヴンで30分。ぷっくり膨れた黄金色のクネルの完成! ってわけ。




一度食べたら誰もが虜になる魅力に満ちたリヨンのクネル。こんなにも独創的で 完成度の高い料理が、いったいどうやって生まれたのか、知りたいでしょ? 一緒に、誕生秘話を紐解いてみよう。

この料理は 労働者たちに少しで美味しく栄養のあるものを食べてもらいたいと、メール・リヨネーズが知恵を絞って作ったのが始まりなんだ。よ~し!時代を遡って、当時の厨房をのぞいてみようか。材料はブルジョワたちが食べたあとの残り物だけ。テーブルにはお腹をすかせた労働者たち。さぁ、ここからが彼女たちの腕の見せ所。見事なまでに余すところなく使い切るぞ。

 まずは魚のすり身を作るわよ。骨の周りに残った身をこそげ落として、細かな骨なら丸ごとていねいにすりつぶす。そこにカチカチに固くなった昨日のパンをふやかしてたっぷり混ぜ込むの。そう、かさ増しね。肉を焼いたときに出てきた脂も加えちゃう。これでねっとり濃厚、美味しくなるの。2本の大きなスプーンで形を整えて茹で上げたら、ほら、もういい香り。
 さぁさぁこれで終わりじゃないのよ。そこにブルジョワたちが食い散らかしたザリガニの殻があったわよね。とにかくすべて掻き集めて頂戴! くず野菜と一緒にしっかり炒めたら、たっぷり時間をかけて煮込むわよ。エキスがすべて溶け込んだ、とびきり美味しいソースに仕上がるわ。あぁ吸い込まれそうなほどのいい香り♡ このソースを茹で上がった魚のすり身にたっぷりかけて、オーヴンで焼いたら出来上がり。ぷっくり膨れて、なんて美味しそう。熱いうちに召しあがれ!

ほらもう残り物になんて見えやしない。ブルジョワたちも羨むご馳走の完成だ。世界中の美食家達を唸らせたリヨンの真髄、ここに在り!だね。

※現代のクネルは、現地リヨンでも残り物の加工はしていません。
※当店のクネルは瀬戸内の白身魚、自家製ラード、阿寒湖のザリガニを使用しています。


かつてのリヨン発展を支えた絹織物職人の息吹を感じながら、熱々芳醇なリヨン料理の王様に舌鼓。ぜひ、ボジョレを片手にお召し上がりください。



クリームソースのクネルも♡
今夜はどっちにする?→blog


NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef



リヨン料理とボジョレワインが究極のマリアージュを奏でる訳
⇒ blog
🐓🥚料理とワイン、どっちが先?
ペアリングの謎に迫る!



---------------------------------------
Bistro Tableau Noir(←Website