Saint-Marcellin en fondue, aux crêpes parmentier




ボジョレと完璧な組み合わせ
これこそ真のマリアージュ
Saint-Marcellin en fondue,
aux crêpes parmentier
サンマルスランのフォンデュ


Salut! Tu vas bien?
どうも、シェフです。

今日のBlogは、リヨンっ子が愛してやまないアントレ。サンマルスランのフォンデュを。
かわいい陶器の器に収まったサンマルスランを、器ごとオーヴンで温める。その薄い皮を残したまま、中身がとろとろに溶けたところをスプーンで掬ってパクリ。香り高くとろけたチーズが口の中いっぱいに広がって…。もう鼻から抜ける息ももったいないくらいな幸せが満ちる瞬間だ。

Saint-Marcellin en fondue,
aux crêpes parmentier
サンマルスラン の フォンデュ
クレープ・パルマンティエ添え

専用の陶器に入った小ぶりな白カビチーズ。
うっとりするほどなめらかで、バターミルクの芳醇さ。

ぎりぎりまで薄い湯葉のような皮がたまらない。
ヘーゼルナッツ、かすかにフルーツの爽やかさ。

ルイ11世を救った伝説を持つサン・マルスラン。
ポール・ボキューズもその味に惚れ込んだ
リヨンっ子自慢のフロマージュ。
熱々のとろっとろを、召し上がれ!
(→)ルイ11世


このフォンデュは、器の中でとろけたチーズを食べる料理
どうぞ、きれいに残さずスプーンですくって最後までお召し上がりください。

スプーンでサンマルスランを掬っては、ボジョレをひとくち。
うっとりとした余韻を味わって、
とろける芳醇を掬って食べては、また ボジョレをひとくち。
うっとりとしたため息をこぼして、
柔らかでナッティな薄皮を噛みしめて、またまたボジョレをひとくち。
目を閉じて、香りまでとろけていく様をじっくりと味わう。

ね。無限ループにハマっちゃう、これぞ、究極のペアリング。

そして添えてあるのは、
これまたリヨン名物・じゃが芋のミニパンケーキ(crêpes parmentier → blog)。食べ進んだ後半に、小さく切っては 味変を楽しむイメージで、器の中に残ったチーズを絡めてパクリ。そしてまた、ボジョレをひとくち。
こんなに美味しい料理を日常に食べられるリヨンっ子が恨めしく感じちゃうこと請け合いです。

優しさあふれる味わい、癒される香りと、素朴なのにこんなにも後を引く美味しさ。




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リヨンっ子が愛する、サンマルスランの伝説
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時は15世紀。
リヨンの南東、風光明媚なヴェルコールの森。

のどかで美しい森の中、木こりがいつも通りに仕事をしていた。
仲良し2人組の名前は、リショーとブイヤン。
目当ての大木を斧でリズムよく切っていく。ヘイヘイホー、ヘイヘイホー。

まさに息のあった名コンビ。
今日も、いい音を響かせてる。

でもこの日は、特別なことが起こった。
それほど離れていないあたりから、叫び声が聞こえたんだ。

「助けてくれ!」

ふたりは急いで駆けつけた。
青年が熊と遭遇してしまったようだ。
ふたりの木こり リショーとブイヤンは熊を追い払い、九死に一生を得るもまさに危機一髪。すっかり憔悴しきったその青年を、自分たちの小屋へ連れていき、自分たちが後で食べるはずだったパンとチーズを振る舞ったんだ。

陶器に入った可愛らしいチーズ。
暖炉で少し温めて、とろとろになったところをすくって食べるよう勧めた。

うっとりするほどなめらかで、濃いミルク感。
ヘーゼルナッツの香りと、バターのような満足度。かすかにフルーツの爽やかさも感じられ、あまりの美味しさに、その青年は夢中で平らげてしまった。

すっかり元気になった青年。聞くと、自分はこの国の王太子だという。
2人の木こりは驚いた。なんと! 将来の国王陛下じゃないか!
狩りの途中で一行とはぐれて道に迷っていたそうな

リショーとブイヤンは、
無事で何よりと胸をなでおろし、安全なところまで見送ったとさ。

めでたし、めでたし。


王太子は、のちの ルイ11世。
命の恩人である二人の木こりに感謝し、爵位を与えたほど。←すごいよね。
そして、山小屋で食べた あの美味しかったチーズの味が忘れられず、「私の食事には必ずあのフロマージュを出すように」と御触れを。以来、サンマルスランはフランス王家御用達だ。


そんなエピソードを持つ、サンマルスラン。
だから、リヨンっ子が誇りにしている伝説のフロマージュなんだ。
愛される理由、美味しいだけじゃないんだね。

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NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef





リヨンの南東、ヴェルコールの森
いまは、国立自然公園になってるこの地で、
王太子だったころのルイ11世が
やんちゃな青春時代を過ごしてたって
想像してみるのも、
う~ん、悪くない。


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