Île flottante 誕生物語


今日は、浮島と呼ばれる あのデセールの誕生物語を考えてみよう。
やさしく茹で固めたメレンゲを、カスタードソース(crème anglaise)に浮かべたフランス伝統菓子、Île flottante イル・フロタント。

見た目の驚きと、こぼれ落ちそうな笑顔で食べてるみんなの様子を、厨房から眺めるのがすっかり日課になったBOJO解禁を祝う秋祭り。

毎日 メレンゲと向き合ってるから、作りながらいろんなことが頭をよぎる。僕の癖だね。
こんなに美味しくて、無駄がなく、面白くて楽しいデセールがどうやって誕生したのか考えてみたんだ。

Île flottante
イル・フロタント
伝統的な仕上げは、飴掛けしてアーモンドを振り散らす。
柔らかい、だけじゃない、浮島がこんなにも美味しい秘密。
食感と香ばしさに、ソースをたっぷり絡めて召し上がれ!



ポールボキューズのスペシャリテとして一躍有名になったけど、
生まれたのはもっと前の時代。発案者はきっと、お屋敷に抱えられた名もない料理人。

きっと、こんな感じだったんだろうな・・・。



今日は、近くの農家から卵をもらってきた。
久々だからご主人様も喜んでくれるに違いない。半熟に茹でるか、皿焼きか、
いやいや、せっかくだからとびきり美味なデセールを作りたいな。

すこしでも大きく見せるために卵は泡立てるとして、あとは、砂糖とミルクもあったな。
よし、材料は十分だ。

作り方、覗いていくかい?

まず、卵白と卵黄に分けるよ。
卵白に砂糖を少しずつ加えながら泡立てるんだ。角が立つくらいにしっかりと。
鍋でミルクを沸かさない程度に温めておく。
そこに泡立てた卵白をすくっては、そっと浮かべていくんだ。

不思議だろ?
熱ですぐに固まるから、ミルクに溶けたりせずにメレンゲはその形を保ったままだ。
裏返しつつ、弾力が出てくれば出来上がり。

え? 卵黄、使わないともったいないって?

大丈夫。そんな無駄なことはしないさ。貴重な卵だからね。
分けておいた卵黄と、鍋に残ったミルクで、ご主人様の好きなカスタードソースを作る。

この甘いソースに、茹でて固めたふわふわのメレンゲを浮かべるって寸法だ。
きっと、気に入ってくれるはずだぜ。

このデセールの名前?
そうだな。ソースに浮いてる島みたいだから、浮島、Île flottante イル・フロタント なんてシャレてないかい?



僕はこんな想像をどんどん膨らませながら、卵白をフワッと膨らませる。
みんなは大きな期待を膨らませて、ワクワクしながらBOJOの秋祭りにお越しください。

秋祭り期間限定のデセール、Île flottante イル・フロタント。
ボジョレの新酒を堪能したそのあとは、浮島を味わってリヨンの夜を締めくくる。

ビストロで美食の都を体感する、絵にかいたような流れじゃない?
最後のカフェがいつもより美味しく感じるのは、
そう。リヨンっ子に一歩近づいたからかもしれないね。





NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef



とっておきのフレーズで、乾杯しよう!
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Ça s’arrose!
(ササローズ!)新酒が届いた! お祝いしましょ!
Santé!
(サンテ!) かんぱーい!


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