家でタブロ キッシュをつくろう!1



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フランスの味を紹介する新シリーズ、「レシピブログ・家でタブロ」

今日からは、家で出来たらきっとうれしい⁉ 
「キッシュをつくろう!」 を数回に分けてお届け。

バターの香りが幸せな、サクッと軽いパイに、
たっぷりベーコンのうま味たっぷり卵生地。
家でつくれたら、いいだろうな~。

つくれます!
それが、「家でタブロ」シリーズ。
プロの味を家でつくる。
STAY HOME を満喫できるね。

ではさっそく・・

まずは、知識編。
フランス北東部 ロレーヌ。
マカロン、マドレーヌ、ババなど、
フランスを代表する菓子はこの地で生まれたんだ。
18世紀の領主、
レクチンスキー公が美食家だったことと
深い関係があるんだろうね。

アルザスと同じように
隣国と領土争いに巻き込まれ続けた歴史を持つ。
フランス領になったのは1919年。

だから、食文化もドイツと共通点が多いんだ。
豚肉の加工食品(ハム・ベーコン・ソーセージ)、
じゃが芋、タルトなど。
そしてもちろんquiche(キッシュ)も。
粉とバターの基本的な扱い方を知らないと
作業工程も多いし、ちょっと難しいイメージのキッシュ。

でも、ポイントを押さえれば美味しくできる‼
僕を信じて、チャレンジしてみよう!


大まかな流れ。
生地をつくる。→生地を休ませる。生地の空焼き。→生地に具を流し入れて、焼く。完成。

今日は生地を休ませるところまで解説。
いくよ。


まずは、ブリゼ生地と呼ばれる、土台となる生地を作る。
別名、練りパイ生地とか、練り込みパイとか言われるんだけど、
ここで大きな誤解が生じるよね。

ブリゼ生地は、「練らない」。

決して、練っちゃダメ。名前がよくない。

だから、練り込みパイ生地って名前は忘れて、
キッシュの生地は、「ブリゼ生地」、もしくは「パート・ブリゼ」だって覚えちゃおう!

僕は、粉を台の上に広げて、その上にカットしたバターを置いて、
カードで切るように混ぜていくんだけど、
これも慣れないと練っちゃう原因になるから、
今日は特別に、
ぜったい失敗しないパート・ブリゼの作り方、教えちゃいます!

しつこいようだけど、
キ―ワードは、「練らない!」だ。

pâte brisée パート・ブリゼ

(直径20㎝型・2台分)
〈 材料は す べ て 冷蔵庫で冷やしておく! 

薄力粉 250g(必ずふるってから)
塩 2g
無塩バター 125g(小さくカットしてから冷蔵庫)

卵黄 2個
水 50g

〈 出来るなら、フードカッターの入れ物も刃も冷やしておけば完璧だ 〉


薄力粉と塩、無塩バターを
フードカッターに入れて回す。

あっという間に、
バターが薄力粉に分散して見えなくなり、
サラッサラになる。

卵黄と水をよく溶きほぐしてから、
加えて回す。

撹拌され、そぼろ状になる。

フードカッターはここまで。

調理台か、濡れてないまな板に広げる。
もしあれば、大理石台がもちろんいいんだけど…。

決して練らない(!)
グルテンが必要以上に出て、焼き上がりが
ガキッとした生地になっちゃうからね。

サクサクッとした軽いパイ生地をつくるには、
練らない!

生地をカードで中央に寄せて、半分に切って、重ねる。

初めは、まとまらなくてもその繰り返し。

2~3回でまとまってくる。

切って、重ねて、押してまとめる・・・の繰り返し。

もう少し。

半分に切って、


重ねて、押し付ける。

生地がひとつにまとまればそれでOK

やり過ぎもダメだよ。

生地を重ねていくことで、焼き上がりが層になって
サクッと軽い生地に仕上がるんだ。
そう、これがパート・ブリゼだ。

練ってないのに
「練り込みパイ生地」なんて名前じゃ違和感あるでしょ?
今日から「重ねまとめパイ生地」に改名しまーす。


今回は丸いタルト型(直径20㎝型・2台分)だから、
あらかじめふたつに分けて、
丸く伸ばしやすいように、円盤形にしておく。

それぞれラップでくるんで、冷蔵庫。

出来上がった生地は、すぐに焼けないから、ひと晩冷蔵庫。
え?今日は焼かないの~?って思った人は → (クレープの生地

まとまってすぐの生地は、
グルテンが出ないように気を付けてても、弾力があって伸びにくいんだ。
無理に伸ばそうとしても、逆らってすぐ縮んで伸びない。ほんとに伸びない。
大変な思いをして、型に詰めて焼いても、固く縮んでしまう。
いいことないんだ。

ひと晩冷蔵庫で寝かせることで、グルテンの力が弱まって、
生地のコシがほどよく切れる。クレープの生地と同じだね。

ここまでが前日の仕事。

さぁ明日、がんばって完成させちゃうよ~!


・・・
生地をあらかじめ作っておく方法。
ラップに包んでビニール袋に入れて冷凍庫でもOKだ。
で、キッシュをつくる前日に冷蔵庫に移して解凍しておく。
これで、いつでも作りたいときに作れちゃう。
・・・



Quiche キッシュの分量をまとめておくよ。


pâte brisée (直径20㎝型・2台分)
薄力粉 250g
塩 2g
無塩バター 125g
卵黄 2個
水 50g

重しをして、 180℃20分
重しをはずして、180℃10分
卵黄を塗って、180℃ 1分


(以下は1台分)
ベーコン 60g
ポロ葱 100g
玉ねぎ 100g
無塩バター 10g
塩 1g

全卵 2個(110g)
生クリーム 60g
塩2g

グリュイエールチーズ 30g

180℃30分











ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 

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フランスって美味しい!
Bistro Tableau Noir 

Tel : 087-813-2014
定休日は火曜日です。