家でタブロ クレープ



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フランスの味を紹介する新シリーズ、「レシピブログ・家でタブロ」

今回みんなに挑戦してもらうのは、「クレープ」!

いっきにハードル上がった?

確かに枚数焼かなきゃだけど、それ以上に訳の分からないレシピが世の中にはいっぱいだ。
さっくりまぜるとか、ダマにならないようにとか、(どっちなの?)
出来た生地をまた漉すとか
(これ、家庭じゃ面倒だよね。目の細かいざるを洗うの大変。わかる わかる。)
だいたい、生地を寝かせるってなんだろう?おまじない?
枕が必要?子守歌とか?う~ん。。


今日、全部すっきりしちゃおっか。

失敗しない作り方、教えちゃいます!

美味しいクレープのポイントは、食べたときの、テクスチャー。
もっちりで、しゃっきり。しっとりと絹のように。
あの美味しいクレープ、焼けるようになっちゃおう。

楽しみ―!!




家でも簡単に作れるようにアレンジしたから、さっそくつくってみて!
まずは分量。
今回はちゃんと計量してください。

強力粉 100g(ふるっておく、これは省略しないでね)
グラニュ糖 33g
塩 1g
全卵 2個(110gくらい)と、牛乳 40gくらい (計150gにする)

牛乳 200g
(もし生クリームが冷蔵庫に余ってたら、牛乳180g+生クリーム20gにするとよりリッチに)
無塩バター 33g
ラム酒 大さじ2杯


いくよ!

ボールに強力粉・グラニュ糖・塩を入れて、
ホイッパーでよく撹拌し混ぜる。

で、全卵+牛乳= 150g を加えて混ぜる。(ずっとホイッパーだよ。)
少しずつとか、真ん中に泉を作ってとか、そんなことは考えない。
ダマになるんじゃない?って心配も無用。

そのままぐるぐるぐるぐる。

ここでよ~く混ぜてほしい。練るように。
さっくりじゃなくて、ぐるぐる混ぜる。
(これがあのテクスチャーを生むポイントのひとつ)

どう?ほら、ぜんぜんダマになってないでしょ?


ホイッパーの混ぜる手が疲れてきたら、しっかりグルテンが出てきた証拠。
そうしたら、牛乳200gを少しずつ加えて、生地を伸ばす。
だいぶ、クレープ生地っぽさが出てきたね。

で、溶かしバターを加える。
出来れば少し焦がしてほしい。出来上がりの香りが断然違うんだ。
鍋にバターを入れて、火にかける。
溶けたら、水分が蒸発するから、大きな泡が。
だんだん泡が小さくなっていって、動きがなくなったその瞬間から、
色がついてくる。ハシバミ色。焦がしバター。

でも、焦がしバターってなんかね。
フランス語だと、
beurre noisette ブール・ヌワゼット (ヘーゼルナッツみたいな色のバター)
うわ! いっきにかっこいい。
ブール・ヌワゼット、加えまーす‼

ホイッパーで混ぜる。

どう?

粘り(グルテン)が緩んだの、わかった?


もっちりで、しゃっきり。しっとりと絹のように。
クレープのあの薄さで、あのテクスチャーにするには、
しっかり混ぜて、グルテンを出す。
で、ブール・ヌワゼットでそのグルテンを切る。
一見矛盾してるようなこの工程が、あの美味しさを生むんだ。

ここへ、ラム酒を加える。生地の完成⁉



すぐ焼きたいんだけど、みんなが謎に思ってる、寝かせる工程。

最低1時間。ラップをして冷蔵庫。(前の日から仕込んでおいてもOK)

これは、生地の中のグルテンが一定じゃないから、
均一に安定させるための時間なんだ。

グルテンって、手をぎゅって つないでるイメージ。

はじめによく練って、ぎゅぎゅぎゅーって固くなったところに
ブール・ヌワゼット(バター)を加えて、
ほどよくほどいたり、優しく握るくらいにしたはずなんだけど、
まだ、部分的には、ぎゅぎゅーって握った手をしっかり離さない
甘えん坊さんがいるんだ。頑固者かもしれないな。

それを、寝かせることで、
緊張が解けて、ほどよい粘りとサラサラ感に落ち着くってわけ。

そんな感じ。



さぁ焼いていくよ。

表面がコーティングされたくっつかないフライパンがあると思うから、
濡れ布巾をコンロの隣に用意して、「熱してはジュー」を繰り返す必要もなし。

中弱火でフライパンを温める。
生地にバターが入ってるからくっつかないと思うんだけど、
一応、フライパンの表面に、サラダ油をペーパーでさっと塗ってもいいかもね。

寝かせておいた生地をお玉でいいから、よく混ぜる。
さぁ、最初の一枚目は失敗するものと思って、勇気をもって流し込もう。
そしてフライパンをゆっくり動かして、丸く広げる。
失敗しても大丈夫。
一枚目はそんなもの。次に行こう!

フライパンとお玉の大きさによるから一枚分の分量まではわかんないんだけど、
お玉の6割くらいのクレープ生地が一枚分くらい?
だいたいね。

さぁ、一枚分の生地の量もなんとなくつかめたでしょ?
二枚目にチャレンジ!
火加減は、フライパンに流した瞬間に、
静かに、でも確実にジューッて音がすることが目安。

そしたら、しばし眺めながら待つ。
40秒くらいかな。
よ~く見て。まわりの淵が、少しづつ茶色く色づいてきた。
それがひっくり返すサインだ。

耐熱のゴムベラでも菜箸でもいいから、端を少しめくって、
両手でつまんで「えい!」ってひっくり返す。
だいじょうぶ。そんなに熱くないから。

裏面は3~4秒くらいでOK

あんまり焼くと、おせんべいみたいにかりかりになっちゃうからね。
目指すはしっとりと絹のように。

何枚か焼くと、上手になるでしょ。
火加減も決まって、フライパンの温度もいい感じだ。



crêpes
焼けたね。
二人でペロリの枚数かな。

どう食べる? 
決まりはないんだけど、
おすすめの食べ方をいくつか。

これが一番フランスらしい。
シンプルなのが逆に深みを感じられるかも。
グラニュ糖をぱらぱらふって、バターと。
こうやって食べると、砂糖にも味があるってよくわかる。
ざらざら感が病みつきになってくるころには、
クレープの味が際立って感じられるはずだ!


sauce au caramel  カラメルソース
グラニュ糖40g・水10gを鍋でカラメルにする。
適度に色がついたら火から外して、
温めた生クリーム60gを加えるだけ。
火傷に注意して作ってね。
へらでは混ぜない。鍋を軽くゆするだけ。

ジャムは美味しいに決まってる。
はちみつや、ホイップクリームも無敵の美味さだ。

このクレープは食事系にも合う。
ソーセージ、チーズや目玉焼き、
前回のじゃが芋グラタンなんか挟んでもたまんない。
ぜひ!



夜、ワイン片手にもいいけど、
朝やブランチにも最適だ。




ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 

chef



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