家でタブロ 鰆と牡蠣のブレゼ

新シリーズ、「レシピブログ・家でタブロ」

今回はフライパンひとつで出来る、春の魚料理。

「鰆と牡蠣のブレゼ」


ふわっと仕上がった鰆と、プリッとした牡蠣、野菜の食感のバランスが秀逸。
爽やかさの中に濃い旨味。
野菜の甘味とワインの香り。
ディルが次のひと口を早く早くと誘ってくる。

今夜は、ワイン開けなきゃダメかもね。



瀬戸内で解禁を迎えた鰆が美味しそうだったから、つい、ね。
さわら。きっと、焼き物でしか食べたことないでしょ?
今日は、フランス料理ならではの調理法、ブレゼで仕上げた、
しっとりふわっとやわらかい鰆に感動してもらうからね。

お供は牡蠣をチョイスしたんだけど、もちろんあさりでもムールでもOK
貝類はいい出汁が出るからね。家庭でプロの味にするにはかなりの便利食材だ。

braisé ブレゼ
僕のブログでもよく登場する、フランス料理ならではの調理法。
辞書には蒸し煮って出てくるんだけど、ちょっとニュアンスが違うんだ。
水分は少量で、素材の頭は出てる。でも蒸しながらだから、
乾燥させることなく同時にいくつかの工程が進行しているんだ。
焼きながら煮る。煮含ませながら焼く。
美味しさのためにすべての水分をコントロール、それがブレゼ。

まぁ、やってみればわかる。

Allez cuisine!


材料(2~3人分)

鰆 3切(250g)
牡蠣 200g

長ネギ 1本(白い部分)
にんにく 1片
湯むきしたトマト 1/2個

塩・胡椒
強力粉
オリーヴ油 大さじ1+大さじ1
白ワイン 50㏄
水100㏄(←スープじゃないのが嬉しいよね‼)
生クリーム 大さじ2(無塩バター10gでも可)
ディル(なければパセリでも)

概要

①野菜をカットする。
②にんにく・長ネギを炒める。とり出す。
③鰆に塩・胡椒・粉をして焼く。
④ ②をフライパンに戻して、白ワイン、蓋をする。
⑤水を加えて沸かし、牡蠣と長ネギの芯を加える。
⑥牡蠣に火が入ったら、鰆と牡蠣をとり出す。
⑦フランパンにトマトと生クリームを加え、煮詰めてソースを作る。
⑧盛り付け。


解説
①下準備

にんにくは半割に、芽を除いて3㎜にカット(粗みじんだね)。
長ネギは縦半割。白い部分は3㎜幅、芯は5㎜角。
写真はないけど、トマトも5㎜角に。


②オリーヴ油大さじ1で
にんにくを色付けないように弱火で炒める。
長ネギの白い部分を入れて、塩をひとつまみ。
汗をかかせるようにゆっくり炒める。
長ネギが甘くなったら、お皿にとり出そう。

最後まで同じフライパンでいくよ。

③鰆はしっかり目に塩・胡椒して
(塩味が薄いと出来上がりの味がぼやけるからしっかり目にね)、
強力粉をまぶす。

よけいな粉ははたいて、
オリーヴ油大さじ1で焼いていく。

ちょっと、光って見えにくいんだけど(ごめんね)
きつね色まで行かなくていいから、
軽く色がついたら裏返して、
すべての面を焼いていく。
(ここではまだ中心まで火が入らなくていいからね。表面だけ。)

④ ②のにんにく・長ネギを戻して、
白ワインを加えて蓋をする。弱火で5分。



いま、フライパンの中で起こっていることを想像(妄想)する。

蓋の中は蒸気で満たされてるはずだ。

ポイントは水分のコントロール。
水分。
目に見える水分は、白ワインだけ?
いやいや、野菜にも魚にもたっぷりと水分があるよ。
それもその水分は、うまみと行動を共にする。
すべての水分をコントロールする。
それがブレゼ。

野菜の甘さが増して、溶けだしている。

魚はだんだんと中心あたりまでやさしく火が入りつつ、
魚からも少しのうまみがじわっとにじみ出ているはず。

白ワインは少量だから、もうアルコールはすべて飛んで、
若干煮詰まって、溶け出た野菜と魚のうまみも濃縮されて、
その味・香りはまた
野菜や魚に戻っているんじゃないか?

そんなことを想像する。

目と手と口だけじゃない
耳も鼻も。
五感を研ぎ澄ましてフル動員させる。

それこそがフランス料理が美味しい理由、なんだね。

⑤5分したら、蓋を開けて、鰆を指でそっと押してみよう。
弾力が感じられたら火が入ってきた証拠。

牡蠣を加える前に、水を入れて沸かせる。
牡蠣と長ネギの芯を加えて、
しゃぶしゃぶみたいな感覚で加熱する。

さぁ完成も近いよ。

お皿に鰆と牡蠣をよそって、
フランパンではソースを作る。

にんにく・長ネギが白濁したスープと一緒にフライパンに残ってるはずだ。
もし水分がなくなっちゃってたら、水50㏄追加して調整だ。

トマトと生クリームを加えて、煮詰めていく。
半分くらいの水分量になったら、
塩・胡椒で味を調えて、ディルをふって、完成!
鰆と牡蠣のブレゼ



魚は、鰆にこだわる必要はない。カレイ、鯛、イトヨリ、イサキ、サーモン。結構幅広く対応できそうだ。
その日に、手に入る魚が、きっと一番むいてる魚だよ。

スープを使わない、水で出来るなんてポイント高め。
さぁ、フライパンひとつで出来る、春の魚料理。
「鰆と牡蠣のブレゼ」に挑戦だ!


Allez Cuisine et Bon Appétit !







NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を。