家でタブロ キャロット・ラペ



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フランスの味を紹介する新シリーズ、「レシピブログ・家でタブロ」

今日は、僕も大好きで、思い入れの深い人参のサラダ。
家でも簡単に作れるようにアレンジしたから、さっそくこの週末、つくってみて!

Carottes râpées
キャロット・ラペ

揃える食材は、

人参
オレンジ
(エシャロット)
(アーモンドスライス)
(パセリ)

赤ワインヴィネガー
オリーヴオイル
(マスタード)

なんだけど、わざわざそろえるの面倒だから、

人参・オレンジ・酢・サラダ油

だけでも、全然オッケー!


さぁ、いくよ!

この料理はまったく加熱しないから、衛生はすごく大事。
手はもちろん、包丁まな板ボールもぴっかぴかでお願いしま~す。
人参もよく洗って、皮をむく。
包丁で細い千切りにするのがポイントとかってよく書いてあるけど、
あれって、真っ赤なウソ。

キャロット・ラペの râpé ラペ)は、おろしたって意味の形容詞。
おろした人参。

だから、包丁で千切りにするんじゃなくて、
おろし金で千切りにするのが正解。

僕たちはマンドリンっていうがっちりして重い、
専用の野菜スライサーを使うんだけど、
スーパーでも必ず売ってる、白いプラスチック製のあるじゃない。
千切り用とか刺身のつま用とかのスライサー。あれで十分。

そうそう、いい感じ。

手を滑らすと、怪我しやすいから、人参が小さくなってきたら気を付けて。慎重に。

千切りの人参に、塩をする。
人参の重さの1.5% だ。

え?計算は苦手?だいたいでいいよ。
小ぶりな人参なら、2本分で200gくらい。
3gの塩をしたいから、指3本(親指・人差し指・中指)で2つまみの塩だ。
目安にしてみて。簡単でしょ?

塩をしたらよ~く揉んで、ラップをして30分くらい待つ。

その間に、オレンジを絞って、ジュースを作る。
1個か2個。余れば飲んでね。
これだって、100%オレンジジュースで代用可能だ。
できるだけ、簡単にね。

それと、準備が必要なのは、
sauce vinaigrette (ソース・ヴィネグレット)
日本だと、フレンチドレッシングって呼ぶのかな?
一番シンプルなドレッシングだ。
基本は、酢1:油3

塩      ひとつまみ
胡椒     少々
マスタード ティースプーン1杯
赤ワインヴィネガー 30㏄
オリーブオイル    90㏄

ボールとホイッパーでつくってもいいんだけど
もっと簡単に、ちっちゃめのペットボトルに入れて蓋をちゃんとしてシェイクする。
出来上がり。
それにペットボトルだと、
酢と油の量も、ヨコから見れば目分量でわかりやすいじゃない。
油は酢の3倍入れる。簡単だ。

そろそろ、30分たったんじゃない?

仕上げにかかろう!

塩もみしてた人参を絞る。
イメージとしては、
独特のえぐみを絞って出しきって、代わりにオレンジのジュースを吸わせるんだ。

絞ったスポンジみたいに、
どんどんオレンジジュースを吸い込んでいく。
飽和点はあるから、あんまり分量は考えなくてもいいかな。
人参を絞って出てきた水分の7割程度で十分だと思うよ。

ここに、ソース・ヴィネグレット。
さっき、ペットボトルでしゃかしゃか作ったドレッシングのこと。

小ぶりな人参2本分くらいで、
ドレッシングは、カレースプーン2杯くらい。

味を見て、少しの塩・胡椒。
もしあれば、アーモンドスライス、エシャロット・パセリのみじん切りを加えると
香りも華やかに、ほらもう、フランスの食卓だね。

Carottes râpées
キャロット・ラペ

実際につくって食べるとよくわかるはず。
おろし金で千切りにすることは、手抜きじゃなくて、ちゃんと意味のあることなんだ。

包丁で切ると断面はシャープで鋭いでしょ?
おろすとどうかな?
断面はざらざらでぎざぎざ。つまり表面積が大きいんだ。
そのぶん、口当たりがやわらかくなるのはもちろん、
味の浸み込みやすさ、馴染みやすさが違ってくる。

キャロット・ラペの râpé ラペ)は、おろしたって意味の形容詞。
おろした人参。

だから、包丁で千切りにするんじゃなくて、
おろし金で千切りにするのが正解なんだ。



実は、僕がフランス料理の世界に飛び込んだ時の
最初の師匠によく作らされた思い出のサラダなんだ。
賄いのときに、必ず作ったよ。彼も好きなんだね。一緒になって「こうやるんだ」「もっとこうだ」「これが大事だ」。懐かしいね。

師匠はパリでの仕事も長くて、名店ドルーアンやジョルジュサンクでシェフを。
渡仏したのが1960年代。日本人がフランス料理をすることにまだまだ偏見が強かった時代だから、大変な苦労をしたはずなんだけど、フランスを悪く言うことは一度もなかったな。彼に出会ってなかったら、僕はフランス料理を続けてないかもしれない。
それほど強烈なインパクトを与えてくれた師匠直伝の、キャロット・ラペ。
どこかフランスのエスプリを感じられるのはそのためなんだろうね。






ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 

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