家でタブロ フォン・ド・ヴォライユ
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家にこもってる今だったら、たっぷりの時間がある。
じゃあ、こんなことだって出来るんじゃないかな。
ちょっぴり腕まくりして挑戦するにはもってこいだ。
今日は、フランス料理に欠かせない出汁。
fond de volaille フォン・ド・ヴォライユ
「鶏ガラと香味野菜のスープ」
団欒を彩るこころ温まるフランスの家庭料理はどんなかな。
そんなことを思いながら、じっくりとるスープ。
家にいることも悪くない。
fond de volaille フォン・ド・ヴォライユ
(鶏ガラと香味野菜のスープ)
材料
・鶏ガラ 3羽分
・玉葱3:人参2:セロリ1
(玉葱が1/2個くらい。人参セロリの量はだいたいの比率で。すべて1~1.5㎝角に。)
・水 鶏ガラがかぶるまで
・塩 ひとつまみ
・ローリエ、パセリの軸、タイム(ブーケガルニってやつ。あれば。)
それぞれ 1/4枚、1本、1枝
鶏ガラは、最近はスーパーでも売ってるよね。
お肉屋さんに前もって話しておけばとっといてくれるよ。
玉葱、人参、セロリ。
これらはミルプワ(香味野菜=mirepoix)って言って、
その名の通り、香り・風味をつけるための野菜。
打ち消すんじゃなくて、香りを重ねていく。それがフランス料理の考え方なんだ。
3種類揃わなければ、玉ねぎ人参だけでもいいんじゃないかな。無理は禁物。
さぁ、作り方。
レストランではいつもこんな流れでつくってるんだ。
①ガラをそうじする。
②水にさらす。
③寸胴にガラを入れ、水から沸かす。
④しっかり沸騰させてしっかりアクをひく。
⑤ミルプワ(香味野菜)を入れ、アクをひく。
⑥沸騰を保つ弱火にして、約3時間、まめにアクをひく。
⑦味をみて、OKなら、シノワで漉す。
⑧また沸かして、最後にもう一度アクをひく。
⑨急冷する。
⑩表面に固まった脂を取り除く。
説明していこうね。
①ガラをそうじする。
残ってる内臓をキレイに取り除く。
黄色い脂(あまり深追いはしなくてOK)も外しちゃおう。
それで、できれば、ガラを分解できるところまでばらしてほしいんだ。味が出やすくするためと、あまりに立体的だとガラが水から顔を出しちゃうじゃない。
カサを小さくしたいんだ。首つる、肋骨、腰骨。手でひねり取るように。怪我しないように気を付けて。
②水にさらす。
表面についてる血や内臓のくずなどの不純物がスープを濁らせる原因になるから、流水に1時間くらいさらしてキレイにするんだけど、今回は量も少ないし、水でさっと洗うだけで大丈夫。
④しっかり沸騰させてしっかりアクをひく。
ボコボコ沸騰させると濁るってイメージがあって。プロでも勘違いしてる人も多いところ。確かに濁るんだけど、それは旨み成分がスープに溶けだしてからの話。とり始めはむしろアクをすべて取り除くことに集中する。中途半端に残っちゃうとそれが原因で逆に濁っちゃうんだ。
ちゃんと沸かさないとアクは出きらない。吹きこぼれない程度の火加減を保って、茶色いアクが出なくなるまでしっかりと。弱火にするのはそれから。
⑥沸騰を保つ弱火にして、約3時間、まめにアクをひく。
ひとつまみの塩をして、約3時間。途中水が減ってガラが顔を出してたら足してね。
この間は優しく煮る。それこそ濁らないように。沸騰を保つ弱火って言われても難しいよね。よく、水面が微笑むようにって書いてる。ボコボコ沸かしちゃダメ、でも沸騰し続けなきゃダメ。無茶いうなよ~。でも大事なところ。
⑦味をみて、OKなら、シノワで漉す。
OKかどうかはわかんないよね。僕が出張して確認できたらいいんだけど、無理だから。でも3時間やれば大丈夫。ザルで漉そう!
⑧また沸かして、最後にもう一度アクをひく。
ザルを通したから、保存性を高めるための工程。
⑨急冷する。
これも雑菌の繁殖を防ぐため。ちゃんと冷めてから冷蔵庫へ。
冷蔵庫に入れて、翌日。 表面に脂が固まってる状態だ。 |
丁寧に取り除く。 |
みて、この ぷるっぷる。 フォンドヴォライユの完成でーす。 |
もちろん本来は、ガラ(骨)を買ってくるところから始まるんじゃなくて、
鶏料理を作る際に出る、産物と言えばいいのかな。
フランスではそんなに遠くない古き良き時代、
ご馳走を作るときは、決まって市場に丸鶏を買いに行く。
もちろんモミジ付きの逆さ吊りで。
それが当たり前の光景だったんだ。
団欒を彩るこころ温まるフランスの家庭料理はどんなだったのかな。
そんなことを思いながら、じっくりとるスープ。
家にいることも悪くない、でしょ?