目からウロコのコツ満載!プロが教える【ほうれん草のバターソテ】

 

Salut! Tu vas bien?
どうも、シェフです。

レシピブログ、「家でタブロ」。
今日は、最高に美味しい「ほうれん草ソテー」を伝授するよ。レストランでは食感を柔らかくするために、ちぎって葉だけを贅沢に使ったりするんだ。でもね、根元の赤く硬い部分も栄養満点なんだから、家庭でそんな勿体ないことはする必要はまったくないよね。そんなことよりも、美味しく作るコツが他にいっぱいある。たまには本気の「ほうれん草ソテ―」を作ってみるのもいいんじゃない?

さぁ始めよう‼
Allez Cuisine et Bon Appétit !


Épinards sautés au beurre
( エピナール ソテ オ ブール )
ほうれん草のバターソテ


材料
ほうれん草 1把
バター 20g
にんにく 1片
塩・胡椒


作り方(概要)
①洗い、かために茹で、冷水にとり、絞る。
➁3㎝にカットし、さらに絞り、ほぐす。
③フライパンににんにくを擦り付け、火にかける。
④バターを少し焦がしてから、さっと炒める。塩胡椒する。



まずは、ほうれん草の下処理から。
流石にそれは、普段やってるから大丈夫?
いやいや。今日は、プロのやり方を覗いてもらおうかな?
ほうれん草は、根元に砂を
たくさん嚙んでる野菜の代表格。
まずは、汚れを落としやすくするために
十字に切れ目を入れる。

この切れ目は、かたい根元に
火が通りやすくする役割も担う。
必須だね。

ボールに水を張って
ため水と流水の両方を使って丁寧に水洗いだ。
何度も水を替えながら、
茎を傷めないように優しく、でも確実に。

プロの現場だと、
ほうれん草はタコ糸で縛ってから茹でる。
え?面倒くさそう? 理由は何って?
レストランでは、一度にもっと大量に処理するよね。
茹でる時というより、
茹でた後のために欠かせないひと手間。
それは、冷水の中から
一つずつ引っ張り上げて揃えるのが一苦労だから。

ここでもうひとつ。
その縛り方にも、ちょっとしたポイントが。
僕たちはクセになってるから、考えなくても
指が動いてくれるんだけど、
縛った紐も、長いほうを引っ張ればすぐ
解けるようになってる。

何事も、一把だけなら
そんなに苦にならない仕事も、
大量に行うには、ちょっとしたコツがあるんだ。

ほうれん草の下処理も、
なかなかに侮れないでしょ?


さぁ茹でていくよ。

青菜の上手な茹で方は、
とにかく、
短時間で茹でて、素早く冷水にとること。

そのために、
た~っぷりのお湯を沸かす

家庭では限度があるので、
無理なら、何度かに分けて茹でる。

野菜の水気を切っておく

洗った後の野菜に付いてるたっぷりの水で、
湯の温度が下がっちゃうからね。

とにかく
守るべきルールは、
短時間で茹でて、素早く冷水にとること。

いくよ。
しっかり沸いた鍋に、根元から泳がせる。

あれ? 塩は? って思ったね?
塩は、必要ありません。

あぁ~~、言ってしまった。
日本中に流布してるレシピを
敵にまわしちゃった気分です。

緑を色よく茹でるために加えるとされている塩。
クロロフィルの色素の長時間の加熱による
変色を防ぐ力があるのは事実。
でも、おまじないのように、ひとつまみ
入れても何の意味もないんだ!

その力を発揮させるためには、
最低でも1.5%~2%以上の塩が必要。
パスタを茹でるよりも しょっぱいの。
すごいよね。

写真の鍋の湯は3L
ほうれん草1把茹でるのに、塩50g~60gも入れるの⁉

そもそも、青菜は長時間加熱しない。
茹で過ぎた時の保険のために
大量の塩を入れるより、
色素が壊れるより先に茹で上げる。

塩をすることよりも、
短時間で茹でる工夫をしたほうが
きれいに茹で上がるし、合理的なんだ。


だから、塩は必要なし。

根元を数秒泳がしたら、すべて沸騰湯に沈める。

再沸騰したら、すぐに冷水へ。

いまのほうれん草はそんなにアクが強くないから、
冷水に長時間さらさなくても大丈夫だ。
冷めたら、茎を揃えて、よく絞る。

塩なしだけど、
⇩⇩色よく茹で上がってるでしょ?
ルールを守れば上手に茹でられる。
短時間で茹でて、素早く冷水にとる
長さは好みだけどね。
3㎝でカットする。

カットしたあと、もう一度よく絞って。
結構な水が出てくるよ。

さてここで問題は、根元。
甘くておいしいんだけど、ちょっと堅めで、
一緒に食べた時に異物感。

だからこの段階で根元をカットして、
細くしてあげる。
これで、「ほうれん草の茹で」作業が終了だ。

さぁ、ソテーする?
ちょっと待って。
ソテーする時間は一瞬なんだ。
フライパンの上で塊をほぐしてる間に、
加熱時間が長くなる。

先に、ばらばらにほぐしとこう。
こんな感じ。
これで、準備万端だね。

いよいよ、バターソテー。

炒めるではなくて、
焦がしバターで和えるイメージ。
×炒める ⇨ 〇和える

バターソテーなのに? (・・?
まぁ、やってみようか。

冷たいフライパンに、にんにくの断面を
擦り付ける。満遍なくしっかりと。

みじん切りを加えるんじゃなくて、
ふわりと香りを纏わせる。
これで一気にプロの仕上がりだ。

バター20gを入れ、中火で熱する。
溶けたら、はじめは真っ白な大きな泡が
フライパン一杯に立ち込める。
まだ、バターの水分が蒸発してる段階。
もう少し様子を見てると、泡が細かくなって、
音が無くなってくる。
いまから、色が付いてくるよ。

少し色が付いてきた。
ここで、ほうれん草を加えます。

アクの少ないほうれん草でも
感じるか感じないかのほんのわずかなえぐみが。
このえぐみを消すための焦がしバター。
感じるえぐみが無くなることで、
野菜の甘みがグッと引き立つんだ。

一気に混ぜる。
あらかじめ、ほぐしてあったことが生きる瞬間。

中火のままだけど、炒めるというよりは、
しっかり加熱されて高温になった焦がしバターと
手早く和えるイメージで。
混ざれば火を止めて、塩・胡椒して完成だ。
赤みを帯びた根元が可愛い
ほうれん草のバターソテ。
色鮮やかに、香り高く。
バターの風味が際立ちつつも、
噛むほどにほうれん草の甘みが
しっかり感じられるんだ。

今夜のメインの付け合わせに、旬のほうれん草を。
単品のおつまみとしてなら、一緒に
ベーコンやハムと炒めてもいいね。

何気ない料理にも、
美味しくするポイントがたくさんだね。
1から10までまねできなくても、少しだけ
コツを取り入れることで
ぐっと美味しくなるぞ!

みんなで料理をもっと楽しもう‼



NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef


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