Porc aux pruneaux


朝晩の寒さも本格的になってきた。師走感、出てきたよね?
冷たい風が頬を流れるリヨンの夜には、ルビーに輝くボジョレワインがよく似合う。

ビストロで料理を味わいながら、ボジョレが注がれたグラスをゆっくり傾ける。
ワインの声に耳を傾ける、なんて さらりとかっこいいじゃない。
ボジョレだからこそ味わえる、溢れる果実味・流れる喉ごし・繊細なノート・複雑な余韻が、美味しい時間を紡いでくれます。
(ワインリスト→ Carte des vins 



さて、今日は豚肉のプルーン煮。
Porc aux pruneaux
ポール オ プリュノ

旨味の濃い豚肩ロースを、
紅茶で戻したプルーンと赤ワイン、ポルトでやさしくブレゼ。
(ブレゼ→ blog )
ポルト酒をたっぷり使ったこのソースは、
プルーンの香りも手伝ってコクの中にほんのり優しい甘み。
そして甘さに振れただけで終わらないのが、リヨンが奏でる奥深いソースの世界。
レモンと紅茶のかすかな渋さが、大人なキレを演出して、
ほのかなクローヴの香りが遠い記憶を刺激する。

気づいたかな? すべての香りが、Beaujolais の味わいに当てはまる。
リヨン料理とボジョレワイン。組み合わせの妙まで、偶然か必然か。

こんなにもリヨンの夜に似合いすぎる、シックな仕上がりがたまらない。

Porc aux pruneaux
ポール・オ・プリュノ
(豚肩ロースをプルーンとポルトでじゅわっとブレゼ、赤ワインソースとじゃが芋のピュレ)



代々受け継がれてきた料理に共通するのが、
その料理名が、決まってシンプルだということ。

Porc aux pruneaux
(ポール・オ・プリュノ)
プルーンの豚肉。

なんとも潔い。
調理方法も付け合わせも何も書かれてないけれど、
じっくりブレゼしたあの料理だということも、
もちろん、じゃが芋のピュレを添えてるはず、ということすべてがこの名前に含まれているんだ。

クラシックな料理は、手を加えるところが何もない。
余計なものはそぎ落とされ、シンプルに。
必要な食材、必要な工程だけが残り、
繰り返される中でどんどんブラッシュアップされていく。
受け継がれてきた料理は、なんていうか、本当に偉大だよね。



ソースをたっぷり絡めて頬張れば、、、。

さぁ、
今夜はこの完成された豚肉料理で、ボジョレをゆっくりと傾けてみようか。




NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef

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