ヴァン・ナチュールの聖地


Vin nature 
とびきり美味しいヴァン・ナチュールの話
vin :(名詞)ワイン
nature:(形容詞)何も加えない



Bonjour!  Ça va?  Ayakaです。

今日は いますぐ飲みたくなる、Vin nature(ヴァン・ナチュール、自然派ワイン、ナチュラルワイン)のお話を。


- 今まで飲んだことのないタイプ。でも好きです!

- 軽すぎる?と思ったけど、メインの頃にはちょっと変化して。お肉にもばっちり合いました!

- ガメって、美味しいんですね‼

- そう言えば、タブロノワールのワインって、ナチュラルワインが多いんですか?


ワインに関してお客様からいろんな感想をいただく中で、当店のワインリストをじっくり眺めてみると、そのほとんどが ヴァン・ナチュール。そうなんです、ボジョレはヴァン・ナチュールの聖地だった、とあらためて意識した週末。


- 美味しいワインが飲みたい!

- 飲みつかれしないワインがいい。

- 料理に合うワインを飲みたい。

- 生産者の顔がみえる、こだわりの1本を飲んでみたい。

そんな皆様の希望を叶える【ボジョレならではの ヴァン・ナチュール】、た~っぷり揃っていますよ。今月のワインリストはこちらから、ご覧ください。

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今月のワインリスト
Click ⇨ Carte des vins
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ヴァン・ナチュール、どんなイメージがありますか?

 私のヴァン・ナチュールとの出会いは東京で働いていた20年ほど前。ちょうど自然派ワイン専門のワイン食堂がブームになっていた時期。軽やかで喉ごしもするりと気持ちいい。個性的なワインも多くて、お店の人と話しながらワインを決めることも楽しくて、どんどん好きになっていったのを覚えています。
かすかに感じる揺らぎのような緩やかな味わいにうっとりと、果汁本来のうまみを濃く感じられることにどっぷりとはまったヴァン・ナチュール。当時は、熱烈な、でも一部のファンの間でだけの流行だったように感じていたのですが、今では気軽にどこでも買えて、すっかり日常に馴染んでいるなと感じます。家飲みの定番になっている方も多いのでは?

 でもそもそも、ナチュラルワインって?好きで飲んでいても、案外あいまいな、ヴァン・ナチュールの素朴な疑問にお答えしたいと思います。



Q. そもそも、ヴァン・ナチュールって?

A. 葡萄の栽培、醸造において、可能な限り自然に近い状態で作られたワインのこと。
 【そもそも、ヴァン・ナチュールとは】の定義はこれだけ。シンプルです。どの程度自然かは、生産者の判断に委ねられているというのがポイント。なので、ワインによってナチュラルの度合いは千差万別。強烈にナチュール感を放つワインもあれば、あ、このワインも?とやんわり感じるワインも。でも共通して根底にあるのは生産者の自然に対する深い敬意。地球の一員として葡萄の味を追求する姿勢、テロワールの力をワインへ最大限に活かそうとする情熱、あるいは自身の生き方までもがたっぷり詰まったワインは、ラベルにもそれぞれに独特のセンスが溢れていて、見ているだけでもワクワクします。





ヴァン・ナチュールの礎を築いた
マルセルラピエールと
ジュール・ショヴェ

 ー 20年前から好きで、それ以来ずっと飲んでます。

 ー ボジョレワイン、詳しくないけどマルセルラピエールのワインが好き。

 ー マルセルラピエールのモルゴンください♡

 まるで合言葉のように、迷わず、目指して、満面の笑みで、ご注文いただくことの多いワイン。ファンの多さをうかがえる、マルセルラピエールのモルゴン。

 1970年代、ボジョレのモルゴンで自然派ワインの礎を築いたマルセル・ラピエール。現在マルセルから学んだ多くの弟子たちや、想いに感銘を受けた醸造家たちが世界中で活躍しているのはもう語る必要がないほど。

 そんなマルセルが師事したのは、同じくボジョレの醸造家ジュール・ショヴェ。化学を深く研究していたジュールは、ワインに添加される酸化防止剤の不使用をいち早く提唱しました。果実味とテロワールを映し出す自然なワインを目指した学者ならではのアプローチは、当時の作り手たちに衝撃が走ったと言います。ワインは自然であるべきだと唱えたふたりの存在なくして、現代にヴァン・ナチュールはなかったかもしれません。


 始まりは、ボジョレから。1970年代、ボジョレのモルゴンから生まれたヴァン・ナチュールは今、フランス国内に留まらず世界各国 ここ高松でも愛好家が目指すワイン。そして熱意ある生産者が目指す場所。ボジョレから始まったヴァン・ナチュールの系譜は今、世界中に広がりを見せています。






でもここで、さらなる疑問が湧いてきませんか?

Q. 【自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)】って??
ワインはもともと【農産物=自然】なはず。
あえて【ヴァン・ナチュール】と名付けるわけは?

A. 第二次世界大戦後、ワインの量産化が始まったことが大きなきっかけです。
 安定的で収益性の高いワインを効率的に作るため、化学が介入する栽培、醸造が主流になっていった背景があります。除草剤や酸化防止剤の登場です。これらはあまりにも画期的な発明で、世界中の生産者の間で大評判、瞬く間に広がったといいます。


しかし、その代償はあまりにも大きかったのです。

ー 年々、葡萄の味がしなくなる。

ー 仕事は楽になったけど、 なんだか‥、 畑が‥、 やせてきた?

ー どこのワインも似たような味。

ー おじいちゃんが作った昔のワインのほうが、美味しかった。

ー 自分たちが作るワイン、なんだか美味しくないなぁ。


「化学に頼った農法をこのまま続けていてはワインがだめになる。」土壌の微生物の死滅を招くことを危惧し、自然に沿ったワイン作りを目指したジュール・ショヴェ。化学に魅せられ、化学を研究したジュールは、化学からワインを守ることを提唱します。これはとっても意義深いことだと思います。と同時に、実はヴァン・ナチュールは「回帰」なのだと分かります。

 自然と共に生きて、自然と共にワインを作る。現代のヴァン・ナチュールは決して特別なことではなくて、葡萄の声、畑の声を聴きながら行うかつてのワイン作りへの回帰。将来、この自然なワイン造りがスタンダードに戻ったら、あえて【ヴァン・ナチュール】と名付ける必要がない時代がやってくるのでは、という声も聞かれます。

 商業ベースのワインではなく、1950年代までは当たり前に行われてきた農法、醸造による葡萄そのものが香るワインを求めて。手に入れた武器を捨て、新たな挑戦を。生産者の果てしないほどの努力に、頭が下がります。






聖地ボジョレの
ヴァン・ナチュール
 当店のセラーにずらりと揃うボジョレのヴァン・ナチュール、ワインによってナチュラルの度合いは千差万別です。軽やかなロゼのように透き通った味わいの赤ワインもあれば、どっしり肉厚な複雑味のある赤ワインまで。強烈にナチュール感を放つワインもあれば、あ、このワインも?とやんわりと感じるワインも。一般的なワインの【知識】はとうてい当てはまらない、繊細で深みのある格別の美味しさなのです。考えながら頭で飲まずに、ただ純粋に、心で楽しむのがいちばん。ただ美味しく飲めばいい、と思うのです。



味わうポイントは、ぜひボトルで。
 化学に頼らない、安定した味わいに重きを置かない、あくまで自然なワイン、ボジョレのヴァン・ナチュールは、その繊細さが魅力です。飲みながら変化していく味わいこそがまさに醍醐味。ボトルを開けて、1杯目、2杯目、3杯目。その変化こそが美味しさです。グラス売りで中途半端に切り取られてしまっては、その美味しさは半減してしまいます。せっかく味わうのなら、ぜひボトルで召し上がっていただくことをおすすめします。飲み進めていくにつれ、遠く離れたボジョレの息吹がきっとストレートに感じられるはずですよ。
 仲間と過ごす食事に寄り添うボジョレのヴァン・ナチュール。想いの詰まったボトルを開けて、ゆっくり、じっくり、味わっていただけたら嬉しいです。






 世界が惚れるボジョレがずらり!と揃う専門店・タブロノワールで、ヴァン・ナチュールはじめませんか?

Ayaka




 ヴァン・ナチュールの元祖であり、聖地のボジョレワイン。昔も今も美食の都リヨンでた~くさん飲まれているのです!こちらの記事もぜひ。

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