家でタブロ 悪魔チキン
レシピブログ、「家でタブロ」。特別な材料を使わずに美味しく作れるコツが満載と好評だ。じっくり読んでみると、料理人が普段 どんなことを考えながら仕事と向き合ってるのかも何となく伝わるんじゃないかな? 食べる人の美味しそうな笑顔を思い浮かべながら、素材の気持ちに寄り添うのがキュイジニエ。 料理は楽しい‼ を、今夜も。
さて今回は、“悪魔風” と名付けられた料理を紹介するよ。悪魔かぁ。ついに来たね。なんたって悪魔だからね。それはそれは おどろおどろしい料理なのかな? 怪しげな大きな壺でヒヒヒと不気味に笑いながらポコポコ炊くとか?あ、それは魔女か。
ア・ラ・ディアブル(悪魔風)の正解は、マスタードやカイエンヌペッパー(唐辛子)で辛味をつけた料理のこと。激辛料理じゃなくて ほどよく刺激的な旨さがたまらない、それが ディアブル。身近な鶏もも肉で、悪魔もアッと驚くような、最高の「悪魔チキン」作っちゃおうゼ!
さぁ始めよう‼
Allez Cuisine et Bon Appétit !
Poulet à la diable
( プレ アラ ディヤブル )
悪魔チキン
材料(2人分)
鶏もも肉 1枚
塩(1.2%)
胡椒・タバスコ
オリーヴ油 小さじ1
ディジョンマスタード 30g ※
オリーヴ油 小さじ1/2
パン粉 1/2カップ
パセリ 1枝分(みじん切り⇒パン粉と混ぜ合わせておく)
玉葱 50g(小振りな玉葱1/4個・みじん切り)
トマト 1個
オリーヴ油 小さじ1
塩・胡椒
シェリー酒ヴィネガー 小さじ1(または、レモン1/6個)
※必ず、ディジョンマスタードを。これだけは替えがきかないんだ。
作り方(概要)
①鶏もも肉の下処理をして、塩を振り、30分置く。
②トマト、パセリ、玉葱のカット。マスタードの準備。
③鶏もも肉の水分を拭き、胡椒・タバスコを振って、皮から焼き始める。
④フライ返しで抑えながら、皮を香ばしく、ガリっと焼く。
⑤裏返し、身をさっと焼いたら取り出す。
⑥フライパンに残った油から、大1をパセリパン粉へ混ぜ込む。
⑦鶏もも肉の皮にマスタードを塗り、パセリパン粉をのせ、220℃オーヴンへ。
⑧フライパンで玉葱・トマト・ヴィネガーでソース(←付け合わせ)を作って、完成だ!
①まずは、鶏もも肉の下処理から。 指で軽く押すように隈なく触ってみる。 けっこう、軟骨が残ってることに気付くはず。 売ってるもも肉は、案外 雑に処理されたものが多いからね。 丁寧な下処理が美味しさを生む。きれいに取り除くよ。 |
血管や筋も丁寧に除きたい。 ちょっとコツがあるから、やってみようか。 まずは、刃を右にして、 刃先で少し筋を切り離してとっかかりを作り、 |
その端を指で持って、軽く右方向に引っ張るようにして 筋をぴんと張り→、 ←包丁は刃を左にして、左に進みつつ、筋を切り離す。 簡単だね。 |
余分な皮も切り離す。 |
すね肉の筋は焼くとギューッと縮んじゃうから、 軽く包丁を滑らして切っておこうね。 これで、もも肉の下処理完了だ。 1.2%の塩。 ちょうど、300gだったから、3.6g。 小さじ1/2強 両面に振って、ラップをかぶせて約30分、置いておこう。 味が浸透しつつ、冷蔵庫で冷えてた肉の温度を 常温に近づける。 |
この間に、準備を進めていくよ。 トマトは湯むきして横半割。 種を取って、ざく切りに。 (復習も大事だ!湯むきから角切りまで→blog) |
種は茶漉しで漉して、トマト水も捨てずに使う! うまみ豊富だからね。 |
漉したトマト水に、ざく切りトマトをボールに入れて スタンバイ完了! (かなりなざく切りで大丈夫) |
そろそろ30分経過。 もも肉の表面にうっすら水分が滲み出てるね。 そろそろ頃合いだよと、お肉が教えてくれてる感じ。 ペーパーで水分をきれいに拭いて、焼き始めるよ。 まず、胡椒。で、タバスコを。 |
今回のレシピでは、タバスコをチョイス。 辛味だけじゃなく、酸味がいい味を出すんだ。 もちろんカイエンヌペッパーを振りかけてもOK。 このパウダーはほんとに辛いからね。控えめに。 |
タバスコを両面に。 片面につき、これくらい振りかけて 手で撫でて全体に馴染ませる。 |
③皮から焼くよ! フライパンにオリーヴ油を小1 写真みたいに、皮を張るようにしながら フライパンに入れる。 油がはぜる音(ジュワー!)がするまでは中火で。 以後は、少し火力を落として中弱火~弱火ね。 |
④軽く押さえながら、皮をガリっと焼いていく。 皮の脂を溶かし出すように、ゆっくりじっくり。 |
こんなに脂が出てくるんだ。 この鶏脂も無駄なく使うからね。 今は、皮目からだけじっくり焼いてる状態。 皮が緩衝材となって、 身には優しく熱が伝わってるのが分かるよね。 知らず知らず、気が付いたら焼かれてるイメージ。 |
焼き加減の目安は、横から見て、 下から7割ほど白くなったらOK。 裏返す。 |
⑤皮はガリっと焼けてるね。いい感じだ。 身側は、さっと焼けばOK。 15秒くらいで取り出しておく。 残りはオーヴンで火を入れるからね。 |
⑥残った鶏脂から、 大さじ1をパセリパン粉に入れて混ぜる。 これは大事なひと手間なんだ。 味、香りはもちろん、 肉にのせた時にパン粉が崩れにくくなる、 たっぷり厚く盛っても中までしっかり焼ける、 表面にきれいな焼き色が付く等、 美味しくなるために欠かせない、大さじ1杯の鶏脂。 |
さぁ、仕上げだ。 天板や耐熱皿にもも肉を置いて、 |
⑦オリーヴ油を少し混ぜて緩くしたマスタードを たっぷりと塗る。たっぷりと。 これが食べた時に いいソースになるんだ。 オーヴンで火が入ったマスタードは、 生のそれとはまったくの別物。 辛味が穏やかになり、香ばしく芳醇。 想像しただけでお腹が鳴っちゃうね。 |
そして、その上にパセリパン粉をたっぷりと 山のように載せる。 薄く、上品に付けるんじゃなくて、 これくらいドカッといくよ。鶏脂の効果で崩れないでしょ? 悪魔に負けないくらい豪快に。 |
220℃のオーヴンで8分。もしくは、 家庭用のオーヴンのグリルモードで焼いてもいいね。 しっかりと、パセリパン粉に焼き色が付くまで焼くよ! |
⑧その間に、ソース(付け合わせ)の準備を。 フライパンに残った鶏脂で みじん切りにした玉葱を炒めていく。 (僕は、脂が少なかったので、オリーヴ油を小さじ1 追加したよ。) 玉葱に塩ひとつまみ。弱火でじっくり汗をかかせるように。 |
玉葱の水分が飛んで、脂がパチパチと音がし出したら、 トマトを入れて、中火にする。 水分を飛ばす感じで。 今日は、トマトソースを作るわけじゃなくて、 フレッシュ感を残したトマトが ソースと付け合わせの中間くらいになるイメージ。 |
水分がほぼ無くなったら、シェリー酒ヴィネガー。 レモンをギュッと絞って代用してもいいからね。 再沸騰したら、火を止めてお肉の焼き上がりを待とう。 オーブンからいい香りがしてきたよ。 |
焼き上がったら、天板に焼き汁が溜まってるはずだ。 この焼き汁もトマトに混ぜちゃうよ! |
再沸騰させて、水分を飛ばしつつ 塩胡椒で味を調える。 ほんのり酸を感じる、うま味の詰まったトマト。 いい感じだ。 さぁ、盛り付けて完成だよ! |
Poulet à la diable
( プレ アラ ディヤブル )
悪魔チキン
このざっくりしたザクザクパン粉の荒ぶる感じ。
たっぷり塗ったマスタードがソースの代わりになって、
ほんのり酸味のきいたトマトが付け合わせ。
ア・ラ・ディアブル の名前に負けない刺激的な旨さだ。
フォークをしっかり刺して、そのすぐ傍をナイフで切る。
指先から、もう美味しさが伝わってくるはずだ。
あふれる多様な香りと食感。こんな悪魔なら、いつでも大歓迎。
今夜のメニューは決まったね。
NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
フランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を
chef
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プロが教える 目からうろこのコツ満載
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「夏はロゼ!」
まもなく終了!夏のロゼ祭り!
夏はリヨンを飛び出しヴァカンスの地へ!
旅する気分で味わう プロヴァンス!
夏限定の料理に合わせて
喉を潤すキリっと冷えたロゼ
今年も 最高のヴァカンスをお楽しみください
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Bistro Tableau Noir (←ホームページ)