Tomme de Savoie

どうも、シェフです。

 - いつ来ても、美味しいフロマージュが揃ってるの、すごいことだよ?
 - ブログを読んで、「食べごろ」の意味が少しわかったよ!

そんな、嬉しい驚きを振りまいてるフロマージュ。
フランスの村々で作られた伝統を、少しでも美味しく食べてもらうのが僕の仕事だ。
美味しいフロマージュを食べると、フロマージュ♡ファンも増えるしね。

流通時は、まだ若い状態で出回ることが多い。果物をイメージしてもらえるとわかりやすいかも。適度に熟れさせてから食べるでしょ?
フロマージュも その本領を発揮できる、最適なタイミングで食べることが欠かせない。

でもね、簡単に言えば 追熟 なんだけど、相手はなかなかに 気難しい。
ただ時間をかければいいわけじゃなくて、温度、湿度に気を配り、呼吸してるから換気も必要で、とにかく快適な環境を作ってあげる。だからね、毎日の世話が欠かせないんだ。

で、食べごろになってきたフロマージュを選定して、4~5種類を食べてもらえるようにしてる。
入荷してすぐ食べられない。1週間か、中には1ヶ月かかるものも。そのために、まだ若いフロマージュも2~3種類、出番を待ってるんだ。
だから、専用のセラーには 7~8種類のフロマージュが常時あるってわけ。

さぁ、どんどん食べごろを迎えています。
熟成させて真価を発揮する、自慢のフロマージュをぜひ。

(熟成させて食べごろに。楽しくて仕方ないマニアックな世界へようこそ  blog


今日は、サヴォワのトム。
Savoie はフランス南東部、リヨンの東に位置する。
アルプスに囲まれた、アルベールヴィル冬季オリンピック Albertville が開かれた都市があることでも有名だよね。なつかしいな~

「サヴォワ」と聞くと、僕には なんとなく物語の舞台になりそうな、空想の世界に飛んでいけそうなイメージが。それは、名前の語源からなのかも。
Savoie の由来は、ラテン語の Sapaudia
意味は、 「 もみの木の森の国 」

厳しい自然と向き合いながらの暮らしなのは想像できるんだけど、
どこか絵本の中みたいな妄想が膨らんじゃうのは、
「もみの木の森の国」
この名前を知っちゃったからだね。

そんな、なんとも可愛らしいサヴォワの、小さなチーズ = トム。

分厚い円盤形、皮の中身は黄色の濃いクリーム色。
もっちりとやさしさ・ミルキー、草の香り、栗のコク。

セミハードのイメージを覆す、ふくよかなこの余韻。ん~~、たまんない。

Tomme de Savoie
トム ド サヴォワ
癒される、ふくよかさ
秋の落ち葉、栗の香り、芳醇さ。

優しさの中に、山の暮らしが浮かんでくる厳しさと、
木の実を彷彿とさせる、ほんのりとした甘さが、じわっとほっこりと口中に広がっていく。
最後は、芳醇なミルクの香り。

このフロマージュはね、寒い日に食べると格別なんだ。


( → Eau-de-vie )
メイン料理のその後は、チーズとオ・ド・ヴィで始まる第二幕!
さぁ! 秋の夜長をじっくり愉しむ、大人時間の始まりです。




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くちどけ とろとろのフロマージュを好むお客様が多いのは知ってるんだけどね。
きちんと管理された(お世話の行き届いた)、上質なハード系をじっくり味わうと、実は 抜け出せなくなるくらいの美味しさがその硬質なクリーム色に詰まってる。

この手のフロマージュは、香りが溢れてくるのに ほんのすこし時間がかかる。
だから慣れてないと、ただ もぐもぐって食べて、それだけで終わっちゃうんだろうね。

ポイントは、慌てずに味わう!

口の中でほぐすようにテクスチャーを味わう次の瞬間に
秘めた実力が じわっじわっと押し寄せる。
そう、香り甘みが押し寄せてくるんだ。

貴重な乳をこんなに美味な保存食に姿を変えて、
大切に食べてたんだって、感情もじわっと高ぶってくるんじゃないかな。

À la prochaine.

NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef

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