Jarret ďagneau pané à la zingara, aux olives vertes frites




貴族がこぞって愛した 香り高きソースで
Jarret ďagneau pané à la zingara
仔羊すね肉 ソース・ザンガラ

Salut! Tu vas bien?
どうも、シェフです。

黒板メニューに久々登場!今日は、仔羊すね肉、ソース・ザンガラを紹介するよ。噛むごとに肉の旨味が溢れる仔羊すね肉のコンフィを、かつての貴族がこぞって愛した具沢山のソースで。ボジョレがすすんでたまらない、春のメイン料理です。


Jarret ďagneau pané
à la zingara,
aux olives vertes frites
( ジャレ ダニョ パネ アラ ザンガラ、オゾリーヴ ヴェルト フリット )
仔羊すね肉、ソース・ザンガラ

仔羊すね肉は、筋肉質な部位。
ステーキには向かないけど じっくり加熱すれば
繊維がほぐれて適度に柔らかく、
濃い旨味が弾けだす。

表面をさっと焼いて香ばしさを出したら
じっくり5時間かけてコンフィに。

仕上げは 極細パン粉をうっすら振りかけて
オーヴンで香り高く焼き上げる。

噛みしめるほどに旨味が重なる肉質に、
かつての貴族がこぞって愛した高貴なソース、
ソース・ザンガラを。

シャンピニョン、タンスモーク、ハム、
ベーコン、エシャロット、
パプリカ、パセリ をスュエして
骨からとったフォンに
肉を焼いたときに出るジュを重ねて
仕上げるソース・ザンガラ。

甘味・旨み・薫香がほのかに香る
力強くも上品な具沢山ソースだ。




・・・・・・・・・・・・・・・・
sauce zingara
ソース・ザンガラ、名前の由来。

ザンガラはジプシーのこと。
別名、「痘痕(あばた)顔のソース」

貴族が深く愛したソースにもかかわらず、こんな迫力のある名前が付けられた理由には、人々の祈りが深く関係してる。

ヨーロッパの歴史は文明が誕生してからずっと、伝染病や感染症との闘いだったともいえるよね。そのたびに苦しみ、乗り越えてきた。

科学的知識のなかった時代、祈りを捧げる他は、奇異に映る人・物のせいにしてきた。ジプシーと呼ばれる定住の地を持たない移動型民族への迫害や差別が続いたのはそのせいなんだ。この悪魔の病は、どこからかやって来た あばた顔の彼らが運んできたに違いない。そんな時代が繰り返されてきたんだ。

一方で、ジプシーは経験から、現代のワクチンのような知識も持っていたって言われてる。天然痘がヨーロッパ中を苦しめていた時代。弱毒化した皮膚をこすりつけあって、重体化しない方法を知っていたんだ。傍目には 病を運んできた あばた顔の悪魔のように見えた。でも人々は気付くんだ。その正体は、人類を救った あばた顔の天使だったってことに。

sauce zingara
ソース・ザンガラ
この言葉に、ジプシーを蔑む気持ちはちっとも混じってなんかいない。尊敬と感謝の念を込めたネーミング。

具沢山のソースは、確かに赤ら顔のあばた顔。
かつて貴族がこぞって愛した高貴なソースは、現代のリヨン料理にしっかりと受け継がれていく。

・・・・・・・・・・・・・・・・



NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef

---------------------------------------
Bistro Tableau Noir(ホームページ)