Pié ďAngloys



マイルドなラヴェこそ最強に美味な説
Pié ďAngloys
ピエダングロワ


Salut! Comment ça va?
どうも、シェフです。

今日は、100年戦争で名前が変わる運命をたどったラヴェを。

Pié ďAngloys
ピエ・ダングロワ

ラヴェらしからぬ乳白色の表皮。強烈な臭いとは無縁の親しみやすさ。
ねっとりクリーム状の中身はじつにマイルド。
ナッツの香りとともに、麦わらやキノコの風味が口いっぱいに広がっていく。
塩水で洗った後に 真水で洗い直して作られるから、柔らかい風味が広がるんだね。
やさしい香りに、とろける口溶け。
ほのかに紅茶を思わせる優しさも魅力的だ。
ガメとの相性も素晴らしく良いので、ボトルに残ったワインと一緒にぜひ。


でも、ďAngloys(イギリスの)って名前に、あれ?って思わない?

こういう逸話には諸説あるのが通例だけど、これには100年戦争と深い関わりが。
この戦争は、単純な仏英の国家間の戦いではなくて、王位継承、領有権が複雑に絡んで、仏内で2派に分かれての戦いに英が絡んでる…。読んでて、なんのこっちゃって感じになってるね? そう。一言じゃまとめられないのが100年戦争。世界史は馴染みがないと難しく感じちゃうかもね。

とにかく当時、ブルゴーニュ公国はフランドル絡みでイギリスと近しい関係。

で、そのブルゴーニュ公国の領地で生まれたマイルドなウォッシュチーズは、
なめらかで、すんごく美味しい人気のチーズだった。

でも、敵(仏)をイメージする名前じゃちょっとね。

だって敵方の名前で、
 - この○○チーズ、大好きなの♡
 - ○○最高⤴⤴

…、言えないでしょ?

だから、名前が変わったという説が僕の一押し。
Pié ďAngloys ピエダングロワ


歴史にどんなに振り回されても、このウォッシュチーズの美味しさは変わらない。
たとえ名前が変わっても、愛され続ける理由がある。

ビストロの締めくくりに、黒板のフランス地図を見ながら、
ブルゴーニュ公国に想いを馳せてみる夜もいいんじゃない?

ブルゴーニュ公国
14世紀、ブルゴーニュ公国は現ワイン産地ブルゴーニュを本拠地・南端として、
ドイツ、ベルギー、オランダにまで領地を拡大し、一大勢力を築き上げたんだ。
どのあたりか、どのくらいか、想像してみて。
かなり大きな公国だったってわかるでしょ?
フランス王家からしても脅威だったはず。
第二のローマ帝国建立を目指した、領地拡大の時代。
そこに、
王位継承、領有権が複雑に絡んでくる。
ジャンヌダルクの出番はまだか?
歴史好き集まれ~♡
ん~~、萌える~!



え?このチーズの元の名前? 
調べたんだけど正確な情報がなくてね。François(フランソワ)だったとか そうじゃなかったとか。ピエドフランソワ? ん~~。もう、ピエダングロワが聞き慣れちゃったからね。

(熟成させて食べごろに。楽しくて仕方ないマニアックな世界へようこそ  blog



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ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
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