【家でタブロ】鶏むね肉のエスカロップ レモンバターソース


Salut! Tu vas bien?
どうも、シェフです。

今日は、大好評なレシピブログ「家でタブロ」だよ。


 - サァ~ッと作れて、美味しいお肉料理のレパートリーを増やしたい!

この悩みは、万国共通。リヨンっ子だって、今日のごはんどうしよう?って いつも頭の中でぐるぐるぐるぐる。毎日の献立、悩んじゃうよね~。そんな時に便利な料理を紹介するよ!

escalope エスカロップ 
白身の肉や魚を薄く削いだもの。または、叩いて薄くのばしたもの。

フランスだと、仔牛肉がスーパーでも気軽に買えて、意外にも結構安いから重宝されてる。 え?日本じゃ買えないよ…? 大丈夫。鶏むね肉で代用可能だ。鶏むね肉は柔らかい白身肉の代表選手。おまけにお財布にも優しいんだから、言うこと無しだね。コツをつかんで、得意料理にしてローテーションに加えてみては?


よく、パサつくから苦手って声が聞こえてくる食材。脂肪分も少ないし、分厚い皮もない。調理法を間違えると、かたくなってしまうのは確かかもね。
今日は、しっとりと柔らかく仕上がる方法を伝授するから、ぜひマスターしてみてね!


日本のように小分けパックでスライスされたお肉が買えないフランス。お肉はある程度の塊で買って自宅でカット。面倒に思えるかもだけど、用途が縛られないし、安く買えるし、ゴミも少ない。いいこと尽くめなんだ。日本はサービスが過剰すぎるところ。便利を求めすぎるのも考え物かな。

さぁ、自分で好みの厚さに切って、美味しくクッキング!
Allez Cuisine et Bon Appétit !


Escalope de volaille au citron
( エスカロップ ド ヴォライユ オ シトロン )
鶏むね肉のエスカロップ
レモンバターソース


材料(2人前)
鶏むね肉 1枚(約300g)
塩 1%(3g)
胡椒
小麦粉(出来れば強力粉)

サラダ油 大さじ1
バター 20g

国産レモン 1/2個(5~6枚スライス)
マッシュルーム 1パック
バター 5g
白ワイン 80㏄

バター 30g(ソース用)

パセリ(みじん切り)


作り方(概要)
①レモン・マッシュルームをカットする。
➁鶏むね肉を2㎝厚に削ぎ切りする。
③肉を叩いて薄くし、塩胡椒、小麦粉を付ける。
④フライパンで焼く。
⑤鶏むね肉を取り出し、レモン・マッシュルームを焼く。
⑥鶏むね肉をフライパンに戻し、白ワインを加え仕上げる。
⑦バターを乳化させて完成。



春先まで、国産レモンが出回ってるから、ぜひ。
レモンはまず塩で擦り洗い。
不安なら、さらに熱湯に数分泳がせればOKだ。
どちらも 8㎜くらいの厚みでカットする。
レモンの種は取り除く。

むね肉の繊維の向きを確認する。
食感をより柔らかくするために
繊維を切るように斜めに削ぎ切り。

2㎝厚さ。

5~6枚取れるはずだよ。

叩いて、薄く延ばす。
クッキングシートで挟むと簡単だね。
肉叩きがなければ、麺棒でも、ワイン瓶でも。
どんどん叩く、この瞬間が好き。
え?ストレス発散になるじゃない!

半分の厚さになるまで叩いて伸ばすよ。
厚み 2㎝ ⇨ 1㎝

薄くするのは、火の通りが早くなるため。
短時間の調理で完成するのは嬉しいよね。

初めからこの薄さに切らないで、
わざわざ叩いて薄くするのは、
繊維をつぶすため。
お肉を柔らかく仕上げるためだ。

料理は陽気に、叩いて適度にガス抜き(⁉)

さぁ、焼いていこう。

両面に塩・胡椒をして、小麦粉。
満遍なく付けたら、よーくはたいて、
うっすらとつける。

むらなく着けなきゃ意味がないんだけど、
焦げの原因になるから、余分な粉は
しっかり落とすよ。

フライパンを軽く熱して、サラダ油 大さじ1。
フライパンを傾けて
油がさーと流れる温度になったら、
バター 20g加える。

焼くお肉の量を考えると、
感覚としてはやや多めの油。
でもこれでOK。

バターを含む多めの油で焼く。
⇧ここがポイントなんだ。

お肉を入れる準備万端なまま、フライパンの様子をチェック!
お肉を入れる正しいタイミングを見極めるよ。

バターが溶けて、大きな泡が勢いよく
沸いてる状態はまだ早い。

泡の勢いがなんとなく沈静化してきたら、

さぁ!
中火で鶏むね肉を焼き始めるぞ。

中火を継続。
お肉の周りがしっかり白くなってきたね。
そろそろ裏返すよ。

美味しそうな焼き色だ。
裏面はさっと白くなればOK.
バットに取り出しておく。

いま、7割くらい火が入ってる状態だ。

薄く纏わせた小麦粉のおかげで、
かすかにトゥルンとした表面の照り。
見るからにしっとりでしょ?
小麦粉をつけて、やや多めのバターで
包み込むように。
膜を作りながら短時間で揚げ焼きすることで
乾燥を防いでるんだネ。

そのままのフライパンにバター 5g追加して、
レモンの輪切りをソテーする。
レモンは、果汁でソースに酸味を付けるだけじゃなく、
付け合わせとして食べたいから、
しっかり美味しそうに焼いて火を入れるよ。

レモンを裏返したら、マッシュルームも加えよう。
ここで、レモンに 塩 1g、マッシュルームに 塩 1g。

鶏むね肉をフライパンに戻す。
多少、具材が重なっても構わないよ。
バットにたまった うま味の肉汁も忘れずに。

白ワイン 80㏄を入れ、中火で沸かす。
約1分間、加熱するよ。
蓋はしないでそのまま。
できれば、スプーンで
肉に液体をかけながら加熱できればなおいいね。

この1分間に、

お肉に火を入れること
白ワインの香りをお肉に纏わせること
レモン・マッシュルームの出汁を煮溶かすこと

を、知らず知らず、同時進行で調理中です。
ん~~。いい香りがしてきたね。

1分たったら、お肉はお皿に盛り付け。
残ったフライパンにバターを 30g落として、
ソースを仕上げるよ。
中火のまま、沸いてる状態を保って、バターを溶かす。
フランス料理の技法のひとつ、モンテ・オ・ブールだね。

沸かせながら、軽くフライパンをゆするか、
耐熱性のゴムベラで軽く混ぜてあげると、
当たり前のように乳化するから心配いらないね。

塩2~3g、胡椒で味を調えれば完成だ!
パセリを振って、盛り付けよう‼


付け合わせはじゃが芋のエクラゼを。
茹でたじゃが芋をそのまま粉ふきにして、
ヘラかフォークで潰せば出来上がり。
好みで、潰すときに、バターかオリーブオイルを加える。
シンプルでどんな肉料理にも相性抜群だ。



鶏むね肉を削ぎ切りして、叩いて伸ばし、粉を付けて焼く。
その焼いた旨みたっぷりこびり付いてるフライパンのまま、ソースを仕上げて完成。

こんなに簡単なのに、あら不思議⁉ パサつくと言われてる鶏むね肉がしっとり柔らかい。マッシュルームのコクとバターの香りが幾重にも重なって、噛みしめる鶏むね肉が厚みを増していく。焼いたレモンが意外にも香ばしく、ワタの渋みがたまらなく、まさにクセになる旨さ。
もう、今夜の夕飯は決まったね!


この Escalope de …(…のエスカロップ)は加熱時間がほんとに短いから、サァーっと作れて、それでいて めちゃくちゃうまい優れもの。仔牛肉が手に入らなくたって、なんにも心配いらないよ。身近な鶏むね肉で美味しく作っちゃおう! 

今回は、国産レモンが旬の季節だったからレモンバターで仕上げたけど、バリエーション豊富にいけちゃう調理法。また近いうちに、別バージョンのエスカロップもやってみようか。乞うご期待!



NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef


---------------------------------------
Bistro Tableau Noir (←ホームページ)