Bojo2019 試飲レポート

11月 21, 2019

Bojo2019 試飲レポート

深夜0時をまわったから、みんなより一足先に試飲。
どんな出来か、気になるところでしょ？
しっかり報告します！

今年の新酒はどう仕上がってる？

ワイン農家にとって厳しい一年だったことは伝わってきていたからね。
初夏の霜、7月初旬の雹、そして夏の熱波。もう災難のデパート状態。
だからすごく心配してたんだ。

たしか2008年だったかな？
同じように雹の被害で収穫量も激減して、どうなるのか気になってて、
でも、例年に負けない、
いやそれ以上の味わいでびっくりしたことを思いだした。

その時は、まだ僕自身にあまり知識がなくて、
生産者の苦労も想像さえしないまま、ただ、うまいって飲んでたっけ。

今年も、その2008年と同じく、ワイン農家にとって厳しい一年だったんだ。
雹でやられるのは実だけじゃない。
傷ついた葉では必要な栄養がつくれない。
だから、一本の木になる房の数を減らす。
もちろん、収穫量はますます減っちゃうけど、
おいしいワインのため、おいしい葡萄を実らせるためだ。

繊細な葡萄の木の病気の心配、毎日の世話。
僕たちは、ただコクルを抜いてグラスに注いで飲むだけなんだけど、
生産者の想像を超える努力と気持ちが込められてるんだ。

で、今年の新酒。
Beaujolais Nouveau 2019

驚いた。
まず、グラスから溢れてくる香り。
これは、十分に熟した、まさに完熟の葡萄からワインを作った証。

慌てず、ぎりぎりまで収獲を遅らせて、実が熟すのを待ったんだろうね。
締め切りが決まってる仕事だから、きっとその判断はすごく難しい。
焦らない忍耐と、完成させられる自信、裏付ける熟練の技。
生産者の、頑張りがぜんぶ込められてる味わいだ。

はっきりいって、すごいよ。
あまりの美味しさに、知らずと涙が流れちゃうくらい。
大袈裟じゃなく、感動の美味しさ。

どんなに期待しても、その期待を裏切らない美味しさだ。

Cuvée Hommage à Gérard Canard

ひと言で言えば、フレッシュなクールダンディ
どこまでも印象的な澄みきった香り
ブルーベリー、カシス、ダークチェリー
レモンのマーマレードのような酸と渋み
タイム、レモングラス
トースト、胡椒
干柿や干杏みたいな自然な甘さも徐々に顔を出す

例えば、山登りの最中、
美しい湖に偶然出くわした、感動そのもの
その湖面には、山肌の紅葉が映っている。そんな風景

Les Griottes

ワインの名前通り、今年もさくらんぼの香りで始まる幸せな時間
フランボワーズ、グレープフルーツ
とにかく完熟感がすごい。凝縮感
そしてこのしっかりとした骨格は、
わずかに感じられる落ち葉や獣臭からか
決して、賑やかではない、落ち着いた香り
カカオ、花の蜜、深緑の香り

例えば、神社の境内を散歩してる、そんな気持ちがこみ上げてくる
どこかで落ち葉を掃いている音
かすかに漂うお香の香り
例年とひと味違う、チャーミングな中に大人の深み

どうかな？
僕たちなりに、感じとった今年の新酒の魅力。
はやく飲みたくなってきたでしょ？

ワインの味わいに正解はないからね。
みんなには、もっと違う味わいも見つけてほしい。
じっくり付き合えるワインだから、とことん楽しめそうだ。

とにかく、自然と泣けちゃうくらいうまかった。
興奮のあまり、今日も長いブログになっちゃったけど
一番大事なのは、これだけだ。
自然と泣けちゃうくらいうまかった。

ワイン農家にとって、間違いなく厳しい天候だった2019。
こんな年こそ、つくり手の実力が試される。

感動の2文字が相応しい、珠玉の2本

つくり手の努力を想像しながら、
香りを胸いっぱいに吸い込んでボジョレの畑に身を委ねよう！

今年の味わいは、きっと泣けてくるよ。

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2019年11月21日（木）解禁

Bojo2019! Allez, on y va‼

おまたせ！

今年もリヨンの民になりきって、
新酒の到着をお祝いしよう！

ハンカチの用意も忘れずに。