パンにバター?

 -バター、ください。

たまに言われるんだ。熱々のバゲットがテーブルに運ばれたときにね。

今日は、めずらしく初めに答えを言っちゃうけど、
注文されても、僕はパンにバターは出しません。
やさしくスルーしちゃう。
もちろんフランスでも、ビストロでバターは出てこないよ。

縦切りのバゲットに、
バターとジャムをたっぷり塗って
カフェオレにどっぷり浸してぱくり。
うまいんだよね~。

~って、朝食じゃないんだから。


パンは、ひと口サイズにちぎって、(かみちぎろうとしないでね。)
ソースをつけるか、料理をのせて食べてほしい。
っていうか、パン、めちゃうまだから、焼きたてを湯気ごとそのまま食べても幸せだ。

高級レストランだと、出てくるよね。バター。
バターが入った銀器が、料理よりもうやうやしく
テーブルの真ん中に出てくるじゃない。

あれは・・・、そうだな。
日本でも、
旅館で、おかずがいっぱいあるのに、
必要以上につくだ煮とかお漬物とか海苔とかこれでもかと出てくるでしょ?

それと同じかな。
過剰なサーヴィスなんだけど、至れり尽くせりを良しとする.みたいな。
ビストロの感覚とはかけ離れてるんだ。

料理を食べてるのに、パンにバターつけたいって要求は、
「(料理が美味しくないから、パンでお腹いっぱいにしたいから、)
 バターください。」
って意味になっちゃうから、ちょっと注意が必要。

だから、日本のビストロでパンにバターを出す店は、
牧場併設の店じゃない限り
きっと、(料理が・・・)だろうね。
パンでお腹いっぱいにして欲しいんだと思うよ。


じゃ、バターがダメなら、オリーヴオイルはどうなの?
これもまったく同じこと。
パンでお腹いっぱいにして欲しいんじゃない?

もっとも、食べたとき、口の中でグジャッてオイルが浸み出てきて、
パンも料理もワインもみんなダメにしちゃうから
そもそも僕はあり得ない食べ方、だと思ってるけど?

オリーブオイルの試食会じゃあるまいし、
パンにオリーヴオイルは、
レストランで、「バイヤーなの?」って誤解されたくないなら、
あまりお勧めしない食べ方だ。



というわけで、

パンにバターは付いてきません。もちろん、オリーブオイルも。

ビストロだからね。



ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 

chef

 
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