Picodon

 今日は、ローヌ川をはさんだ村々でつくられる、山のシェーヴルを紹介。


Picodon
ピコドン
Picodon


小ぶりなシェーヴル。メダル型、小判形。

山羊乳らしい濃厚な香り。
脂肪分の少ない分、ミルクの味わいがストレートに感じられる。
草原の香りと、レモンの爽快さが鼻に優しく抜けていく。
そして、余韻は香ばしいセサミのコク。


シェーヴルの魅力は、その繊細さが、複雑に顔を出してくるところ。
じわじわっと癖になる。そんな感じかな。
僕たち二人はもちろんそうだけど、
お客さまにもシェーヴル好きが多いのは、ほんとに嬉しいなって思う。
ワインを味わいながら過ごしたビストロの余韻にピッタリだよね。


Picodon
ピコドン

この手の山のチーズは、基本的に地元だけで食べられてきたから、
昔は名前なんてなくて、たいがい小さいチーズは、なんでもかんでもTommeトム。
流通するようになってから、Picodonピコドンという名前が必要になったんだろうね。

この名前は、プロヴァンス語で「辛い」というピカンから。
珍しく、味わいの特徴が名前になってるんだ。
でも、このシェーヴル、ちっとも辛くない。

それはね、
フロマージュはもともと、
栄養満点な牛やヤギのミルクを保存していつでも食べられるようにと生まれた知恵だよね。
貴重なたんぱく源。

だからその昔は、出来立てを味わうというよりは、
長期保存したものを食べてたんだ。

長期保存。

で、長期保存されて、表面にしっかり生えたカビを
ごしごし洗って、硬くなった中身を食べる。

熟成によって生まれるシェーヴル特有のピリッとした辛さがしっかり感じられる、そんなフロマージュだったんじゃないかな。

いまは、無理やり長期保存する必要もなくなったから、
フランスでも硬いピカンな(辛い)ピコドンより、フレッシュなピコドンのほうが人気だ。

優しく素朴な、山のシェーヴル。
辛くないけど、ピコドン。
繊細なくちどけ、その香りで美味しい時間の総仕上げだ。


故郷は、リヨンから南下した、
ローヌ川をはさんだ東西の村々。
西は、Ardèche(アルデシュ県)。
聞いたことあるでしょ?
そう、Jambonnette(←)の故郷だね。




ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 


「本物のビストロ」の証 “Bistrots Beaujolais” に認定されました。
 ・LE GUIDE DES BISTROTS BEAUJOLAIS   (2021/1/21 更新)
 


フランスって美味しい!
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