その仕事、説明できる?

すべてのことに、必ず理由がある。

僕は、そう信じて疑わない。




「質問ある?」
って聞いても、なかなか返ってこないんだよね。
東京の専門学校での授業の話。もう、6、7年前の話だ。

生徒からしたら、聞くこと、見るもの、すべてが初めてで
きっと何が分からないのかも分からなかったんだろうなと今だから思う。

でも、「なぜ?」
って考えることは、ほんとに大切なこと。
もう、すっごく大事。

例えば、fond de volaille (鶏ガラと香味野菜のスープ)。
ひとつひとつの工程にしっかりした理由がある。
ざっくり、手順はこうだ。

・ガラをそうじする。
・水にさらす。
・寸胴にガラを入れ、水から沸かす。
・しっかり沸騰させてしっかりアクをひく。
・ミルポワを入れ、アクをひく。
・沸騰を保つ弱火にして、約3時間、まめにアクをひく。
・味をみて、OKなら、シノワで漉す。
・また沸かせ、最後にもう一度アクをひく。
・急冷する。

僕はいつも、すべてに「なぜ?」って考えろと教えていた。


専門学校で習うことはフランス料理のキホンのキだ。
現代フランス料理も、すべて、その基本からの発展、応用で成り立っている。
だから、意味も分からず、「習ったからやってる」だけではダメなんだ。
「なぜ?」の答えが理解できることで、
絶対に忘れないし、ちゃんと身につくから、
それらの基本を別の料理にも使いこなすことができるようになる。
そして、深い部分が分かっていればこそ、
別の仕上がりを目指すときに、違ったアプローチを試すことも出来るってわけ。

「なぜ?」を考えて、
やっとキュイジニエとしてのスタートラインに立てるんだ。

すべての工程には、必ず理由がある。だから、
理由の説明できない仕事は、してはいけない。そう思うんだ。

目指す、完成の形をしっかりイメージして、
そのために、こうやる。だから、このアプローチで。
すべての工程で、理由付けができた仕事を確実に積み重ねていく。
これがプロの仕事だ。

近ごろは、プロとセミプロ、素人の区別がぐちゃぐちゃになってるからね。
キュイジニエは、プロらしくちゃんとやろうよ。

すべてのことに、必ず理由がある。
僕は、そう信じて疑わない。

これは、僕からのメッセージだ。





ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 


chef

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