sauce zingara
フランスをはじめ、ヨーロッパが大変なことになってるね。
悲しすぎる状況に、あまりに無力な僕たちは祈るしかないのかな。
いつもの日常が送れるように、気を緩めず、対策を怠らず。
こんな時だからこそ、やりたかった料理があるんだ。
sauce zingara (ザンガラ)
「ジプシーの女」って名前の付いたこのソース、聞いたことあるかな。
別名、「痘痕(あばた)顔のソース」
こんな迫力のある名前が付けられた理由は諸説あって、どれが正しいのかは分からないまま。でも僕は、ある仮説を信じたい。
ヨーロッパは、というより、人類の歴史は文明が誕生してからずっと、伝染病や感染症との闘いだったともいえるよね。そのたびに苦しみ、乗り越えてきた。
でも、その陰で迫害や差別も横行してきたことも悲しい事実。定住の地を持たない移動型民族、ジプシーと呼ばれる彼らもその歴史のひとつだよね。科学的知識のなかった時代、祈りを捧げる他は、奇異に映る者・物のせいにしてきた。この悪魔の病は、彼らが運んできたに違いない。そんな時代が繰り返されてきたんだ。
一方で、彼らは経験から、現代のワクチンのような予防接種のような知識も持っていたって言われている。当時ヨーロッパ中を苦しめていた天然痘。弱毒化した皮膚をこすりつけあって、重体化しない方法を知っていたんだ。傍目には、病を運んできたあばた顔の悪魔のように見える。でもその正体は、人々を救う、あばた顔の天使だったんだ。
sauce zingara (ザンガラ)
ジプシーの女、あばた顔のソース。
シャンピニョン、タンスモーク、ハム、エシャロット、トマト、パセリ。具のソースで、見た目は確かに赤ら顔のあばた顔。
見た目とは裏腹に、その味わいは甘味、旨み、薫香がほのかに香る、上品な仕上がり。決して、蔑む気持ちは混じっていない、尊敬と感謝の念を込めた、ネーミング。
現代の状況とはまるで違う。大切なことは、ひとりひとりの意識と、正しい対策。
大好きなフランスが1日でも早く回復するように、僕たちは、あばた顔のソースで祈っていきたいと思うんだ。早ければ、来週から。また、このブログでお知らせします。
焼くぞー!ラムステーキ!!
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レストランの語源は【restaurer】レストレ「復元する・回復する」
精一杯の「安全」と、
受け継がれてきた本物の味を。