Pigeonneau en salmis
salmis (サルミ)
僕たちにも宿る、秘めた狩猟の血が騒ぐ、この料理。
それは、隠し切れないエスプリの仕業。
salmis (サルミ)は、鴨、雉、鳩など、猟鳥肉の伝統的な調理法。
特筆すべきは、その加熱方法だ。
salmis は2段階に分けて加熱する。
オーブンでロティした後、ソースの中で煮込み仕上げる。
最後までオーブンで焼かずに、
加熱工程の後半は煮るから、やさしく火が入り、
ガラからとったソースで煮ることで、
素材の香りがより引き立てられる。
濃厚なあの稲妻に打たれたようなとろけちゃう美味しさは、こうして作られる。
もう、ワインが欲しくなっちゃった?
こんな特徴ある調理過程が生まれた起源、気になるでしょ?
知ればフランス料理はもっと楽しくなるよね。
かつてのフランス。
猟師たちは、山で狩猟後、火をおこして鳥を骨ごと焼き、
採れた茸と一緒に煮込んで食べていた。
この、“ ごった煮 ” が salmis に込められた遠い記憶なんだ。
その作り方が受け継がれ、現代のレストランではより洗練されて
メニューにもよく登場する、フランス料理の花形とも言える魅力的な料理のひとつ。
例えるならそうだな、
海の漁師料理が、bouillabaisse ブイヤベースなら、
山の猟師料理が、salmis サルミ かな。
ただ焼いて、どこかから持ってきた
なんの脈絡もないソースで食べるのとはまるで
まるで訳が違う。煮詰めたバルサミコで食べてもしょうがないでしょ。
素材を余すところなく皿に盛り込む。それも味や香りだけじゃない。
かつての暮らしや風土、思いまで盛り込む。
フランス料理は、理に適った調理法が本当に多彩だよね。
そんな salmis をビストロのメイン料理として仕上げたこの一皿。
カリフラワーのピュレと、ワイルドライスを従えて、
トランペット茸の香りを纏った、こくのあるソースがすべてをまとめあげるよ。
こりゃ、今夜もワインがないと始まらないね。
Pigeonneau en salmis
au purée de chou-fleur,
trompettes de la mort et riz sauvage
au purée de chou-fleur,
trompettes de la mort et riz sauvage
( ピジョノ アンサルミ オ ピュレ ド シューフルール、トロンペット ドラ モール エ リ ソヴァージュ )
salmis (サルミ)
僕たちにも宿る、秘めた狩猟の血が騒ぐ、この料理。
それは、隠し切れないエスプリの仕業だ。
フランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
chef
「本物のビストロ」の証 “Bistrots Beaujolais” に認定されました。・LE GUIDE DES BISTROTS BEAUJOLAIS (map)
・公式ガイドブック (PDF)