Nougat glacé

Bonjour!
どうも、シェフです。

今日は、
アーモンドとハチミツ、メレンゲとクリームでつくる、あの古典氷菓を。

Nougat glacé
( ヌガー グラセ )


ヌガー・グラセ。
どこから説明しようか。

Nougat(ヌガー)ってお菓子、知ってる?
そう。アーモンドの入った、飴で固めた菓子。
油断すると歯にくっつくやつ。そう、それだ。

いま、頭に浮かんだのは、茶色い?白い?

想像してほしいのは、メレンゲを混ぜ込んで作る、純白のヌガー。
南仏の美しい街 Montélimar(モンテリマール)で生まれたヌガーだ。


Montélimar
“Portes de Provence”

それが、
Nougat de Montélimar
( ヌガー・ド・モンテリマール )

空港でも売ってるから、お土産でもらったこともあるんじゃないかな?
アーモンドの入った、ハチミツのきいた、真っ白いヌガー。モンテリマールのヌガー。
透明なパッケージに入ったヌガー・バーは高速のSAでもよく見かけるよね。
スニッ〇ーズ的な位置づけ?

もとは、2000年前からアラブで食べられていたお菓子。
クルミで作った飴菓子なんだ。(←ちょっとポイント)

それが、17Cにアーモンドの栽培が盛んになった南仏で
クルミからアーモンドに変わって、メレンゲを加える技術が開発され、
あの白いヌガーが誕生したんだね。


で、やっと本題。
白いヌガー、モンテリマールのヌガーを模した、古典氷菓が、
Nougat glacé
( ヌガー グラセ )

僕はめちゃ大好きなこのデセール。
思い入れもあるぶん、違うことはちょっと許せない。

モンテリマールのヌガーを模した氷菓だから、
あのヌガーに似せてなければ、Nougat glacé ヌガーグラセは名乗れない。

柔らかすぎるからってスプーンですくって盛りつけてたり、純白じゃなかったり。
蜂蜜の香りを楽しみたいのに、飾ったミントで台無しにしてたり。
もうそれは、“ ヌガーグラセ ” じゃなくて、ナッツのアイスクリームでいいんじゃない?
そもそも読みだって、よく間違ってる。
“ ッ ” の音は入らないから、
グラセじゃなくて、「凍った」という意味の glacé は、“ グラセ ” だ。

古典というからには、
時代を超えて、永く人々に愛され続けてる。
勝手な解釈で創作するなら、その名前は使うべきじゃないでしょ。


僕はめちゃ大好きなこのデセール。
好きだから、こだわるし、
好きだから、妥協はしない。


そんな美味しさの秘密をすこしだけ。

メレンゲの砂糖の一部をオレンジの花の蜂蜜に置き換えて
どこまでも香り高く、爽やかな抜け心地。

基本はアーモンドだけで作るはずのヌガティーヌにも伝来してきた当時の記憶、
少しのクルミも加えて、小気味良いカリカリは、ほろ苦くも、甘い。

そして、毒々しいほどの赤と緑のドレンチェリーとアンゼリカも
ちゃんと意味のある組み合わせ。
それぞれ、ラムとパスティスに浸漬することで必要以上の甘ったるさが抜けて、噛んだ時にみせる表情がなんとも色っぽい。

冷たく、スッと溶けちゃうんだけど、香りの濃さとその余韻で主張する。
儚くもこんなに満足感のあるデセールは他にないでしょ。



Nougat glacé
ヌガー グラセ

モンテリマールのヌガーを模した氷菓、Nougat glacé

モンテリマールのヌガーを模した氷菓だから、
ヌガーに似せてなければ、Nougat glacé ヌガーグラセは名乗れない。
古くさい。でもうまい。



Nougat glacé
( ヌガー グラセ )

アーモンドとクルミ、ドライフルーツ、
ハチミツとヴァニラ、メレンゲとクリームでつくる、
ちょっぴりお酒のきいた大人の古典氷菓だ。

ビストロで味わう、儚く、濃密なデセールは、
ぜひ、ナイフとフォークでお召し上がりください。



ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 

chef


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 公式ガイドブック2020(PDF)(←超最新版です。)


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