お箸で?

今日は、
「お箸も用意してますってフランス料理店、あるよね。」って話。



タブロノワールでも、ときどきお客様から尋ねられることがある。
「お箸はありますか?」って。

お箸でフランス料理。
う~ん。実はね、僕も何度か食べたことがあるんだよ。

高松でフランス料理店をやると決めてから、
自分の店でも、お箸は置くのかな?と漠然と考えたこともあった。
そのころのイメージは、そんなに悪くない。
むしろあったほうが親切だし、それでお客様がリラックスして楽しめるなら
当然、それが優しさだし、用意すべきでしょ。って思ってたんだ。

でもね、「お箸も用意してます」ってレストランで試しに食べたことがあるんだ。
まだ東京で働いてるころだったかな。
気になってね。お箸でフランス料理を食べるとはどうなのか。




驚いたね。
ナイフ・フォークがお箸になっただけなのに、
まったく料理の味わいが変わってしまった。

もう、笑っちゃうくらい全然ダメ。

同じ料理を食べてるのに、フランス料理じゃないみたいになって。
言ってみれば、限りなく和食に近い欧風創作料理
だからすぐにお箸をおいて、ナイフ・フォークに戻したんだ。

ワインだって、グラスが変われば違った表情をみせるでしょ?
それと同じか、
いや、そのとき受けた衝撃は、それ以上だったよ。

味わいだけじゃなく、見た目も。
ナイフ・フォークのときと、お箸を使っての食事では
姿勢や所作が当たり前のように変わってくる。

本物のフランス料理を味わってもらいたい。
フランスよりもフランスを感じてもらいたい。
だったら、これはだめだな。って
僕の中で結論はすぐにでたね。



タブロノワールでも、ときどきお客様から尋ねられることがある。
「お箸はありますか?」って。

でも、そんな訳で
申し訳ないけど「お箸」はご遠慮いただいている。

郷に入っては郷に従えってね。
ビストロでの美味しい時間は、
とことん本物のフランスを感じてほしい。


そこには、

“ フランス料理店 ” と看板を掲げる店としての責任 と、より美味しくフランスを味わってほしい
という 誰にも負けない熱い気持ち


が、ある。



どっちが本当の「優しさ」かは、もう言わなくてもいいでしょ?

“本格的” じゃなくて
“本物の” フランスをどっぷりと堪能してほしい。それが僕の思いだ。



ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 


chef

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