エスプリ香る、ビストロの前菜。

豚肉を愛する先人知恵と
キュイジニエの個性が
 “ ぎゅっ ” と詰まった、パテ ド カンパーニュ

もともと、豚肉の加工品は
フランス各地で大切な保存食として発達してきた。(charcuterie

冬に村で豚一頭をばらして、部位に分け、
塩漬けにしたり燻製にかけたりして、ハムやソーセージ、ベーコンに加工する。
その過程で出る、血や内臓ももちろん無駄にはしない。
頭の耳や鼻から、足、しっぽまでほんとうに大切に扱うんだ。
命をいただくって言うことはこういうことかと尊敬の念すら湧いてくる。

Pâté de campagne も、その先人の知恵と努力が詰まった結晶のひとつ。
切り分けた時に出る豚のいろんな部位のくず肉も、決して無駄にしない。
大きなかたまり肉じゃないから、まとめるために型に詰める。
大切なポイントは、型に詰めたまま仕上げるってこと。
その結果、うま味も香りも逃げられないから、
他の料理にはない美味しさが生まれたんだね。



写真は、オーブンから取り出して、重しをして、しっかり冷ましたもの。
型から外してすぐに食べたいけれど、この料理には熟成が必要。
先人たちはこのあと、溶かしたラードを流し込んで
保存に耐える工夫をしていたんだ。
ラードはもちろん豚の脂。
そう、脂だって無駄にしない。理に適いすぎて、ため息しか出ないよね。
冷えると白く固まって、表面の空気をしっかりと遮断してくれる。
冷蔵庫のない時代も、そうやって、地下の保存庫で寝かせてたりしてたんだろうね。

Pâté de campagne
切り出し、マリネ、焼成、一晩冷蔵庫で休ませる。ここまでで最低4日。
それから、1週間の熟成を終えて、やっと完成だ。
不思議な話、作っているときはいつも、
食の豊かな大国の、先人の指先が乗り移ったかのような感覚に襲われる。

僕にとっては
技術だけじゃなく、その思いもしっかりと受け止めて、
大切に作り続けていきたい。
そんな料理のひとつなんだ。


そうだ。写真を見て、「あれ?」と思わない?
オーブンで焼いたあとなのに、焼き縮みがほぼないでしょ。
肉感があるのになめらかで、しっとりジューシーな秘密はこんなところにも。


豚肉を愛する先人の知恵と、キュイジニエの個性が
 “ ぎゅっ ” と詰まった、パテ ド カンパーニュ

フランスをまるごと味わいつくす夜は、エスプリ香る、こんな前菜から。

Pâté de campagne


ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 


chef

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