Pâté de campagne

パテ ド カンパーニュ
ビストロの前菜の定番、シャルキュトリの代表選手だね。


これを作るのは、本来は
キュイジニエの仕事じゃなく、
charcutier(シャルキュティエ)、
(ソーセージ、ハム、リエットなどの食肉加工職人)の仕事。
フランスでは、その専門職が存在する。
だから、よほどこだわった店でなければ、
レストランのパテ ド カンパーニュといえば
シャルキュトリで買ってきたものを提供することも普通の光景。

でも、日本にシャルキュトリはないから、
自分でつくるほかないよね。
そのおかげでというか、レストランごとの店ごとの味が楽しめる。

ん。悪くない。


タブロノワール の Pâté de campagne

なめらかで、でも肉感があって、
豊潤な香りと、どこまでも続く余韻 を めざして作っている。

作り手の個性が出る料理だけに、好みももちろんあるだろうけど
専門店としてメニューに載せてるからには、
誰にも、どこにも負けない、
世界中のフランス料理店の中で
一番美味しい、Pâté de campagne を提供しているつもりだ。

今日はそんな、僕の作り方をちょっとだけ。

写真は
肩ロース、レバー、喉、バラ、・・・。


部位によって違うけど、3㎝×1㎝くらいに切り出す。結構小さいでしょ。
それはね、ミンチにするときに時間がかかると熱が生じるんだ。
それだと、ちょっとまずいことになるので、このサイズ。
だから、味が浸透するのも早いから、マリネの時間は短め。
そう。もう翌日には次の工程に進むよ。


マリネ用の調味料はよく合わせておいてから使う。
なじみやすいように、粒子の細かい塩を選ぶことなんかも大事なポイントだ。

そして、加えるお酒は、
armagnacアルマニャック)と madère(マデラ)、porto(ポルト)を少し。
香りをつけるって意味ももちろんあるんだけど、
調味料と豚肉を、その液体でなじみやすくするためでもあるんだ。

豚肉も毎回微妙に水分量が違うから、揉み込むときに指先で感じることが大切。
赤身と脂身のバランスも含めて、出来上がりの大きな差になるからね。
だから、それらのほんのわずかな違いを見極めて、
ミンチにした後、粘りをどこまでだすか、焼き温度、プレスの加減などを決める。
状態、仕上がりは、基本的には想像するしかない。
経験をもとに、感覚を総動員させて、いま、豚肉がどうなっているのかを探る。
それこそ、すこしの手掛かりも見落とさないようにね。

豚肉を愛する先人の知恵と、
キュイジニエの個性が光るこの一皿。

Pâté de campagne
パテ ド カンパーニュ
pâté de campagne



こりゃー、家で作るのは大変だ。
高松のビストロ で 本物 を食べたほうが早いでしょ。
もちろん、ワインと一緒にね。


pâté de campagne は豚肉の美味しさを型に詰めて焼き上げる。
蓋をして、すべてを閉じ込めたまま火を入れるから、誤魔化せない。
だから、熟成を経て仕上がった香りは素材の良さが要になる。
脂の色、弾力、保水力など、ストレスなく育った豚肉は
本当に魅力にあふれているって思う。
フランスが豚肉を愛する理由はこんなところにもあるんだろうね。


ぎゅぎゅうっと詰まったその魅力から、今夜もエスプリを感じてほしいな。


あ、どうせなら、 とんとんって詰まってることにしよっか。



ランスよりもフランスらしく
受け継がれてきた本物の味を。
 


chef

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